■少年たちに頻発する“テレポーテーション”
神学校での3年間の学業を終えたアルフレッドが家に戻ってくると、屋敷では3年前と同じ心霊現象が再び頻発し始め、アルフレッドだけでなく弟のパウロまでトランス状態を起こすようになったのだ。しかも、これまでにはなかった奇妙な現象も起きる。
ある日、2人の息子が部屋にいるのを確認した母親が再び子ども部屋に行くと、息子たちの姿が忽然と消えていたのだ。
息子たちが何も言わずにいつ出ていったのかと戸惑う夫妻だったが、しばらくして地元の人からの電話を受け取る。それによれば、少年たちは数マイル離れたところをトランス状態でさまよっているということだった。
この一件の後、父親のマウロは子ども部屋に外から鍵をかけて息子2人を部屋に閉じ込めるようになったという。しかしそれでも、どうやって部屋を抜け出しているのか謎のまま2人はいなくなり、とんでもない場所で発見される現象が続いたのだった。
たとえばある日の午前9時、自宅にいたはずの息子2人がほどなくして姿を消し、午前9時30分に約50キロメートル離れた修道院で発見された。
また、別の日の12時30分、家族で昼食をとっていた時のこと。両親からワインを持ってくるように言われたパウロが席を外してからなかなか戻らず、両親が探している間にアルフレッドまで姿を消していた。すると30分後の午後1時、2人は車で1時間ほどの距離にある漁港で発見され、保護されたのである。
いずれの場合も子どもたちは「深刻な催眠状態」で発見され、本人たちは何が起こったのか思い出せなかった。
事態を重く見た専門家によって検証実験が行われたが、そこでも厳重に封じ込められた部屋から2人はいとも簡単に抜け出して姿を消し、数キロメートル離れた町で見つかることになった。
完全に理解を超えた事態に、科学者や医師まで登場して謎を解こうと試みたが、合理的な説明は見つからなかった。やがて一家の話はイタリア全土の関心事となり、魔女や悪魔の仕業であるという説や、超能力説まで囁かれるに至った。超能力説では、トランス状態のアルフレッドは物や自身を非物質化し、別の場所でそれらを再物質化できるのだという。キャンディやチョコレートが突然出現するのもこの能力によるものだという。
そうしたオカルティックな説を否定する人々からは、睡眠中にぼんやりと歩き回る症状である夢遊病(Sleepwalking)説が検討され、当時実際に心理学者が解説している。長距離をかなりのスピードで走る夢遊病のケースもあるというのだ。
しかし、そうであれば眠りながら走る少年たちの目撃報告がないのは不自然だ。屋敷でのポルターガイスト現象を説明するものにもならない。
その後もしばらくの間はパンシーニ一家の屋敷では超常現象は続き、2人の息子たちのテレポーテーション現象も何度か続いたのだが、不思議なことに少年たちが思春期を過ぎるとこれらの怪奇現象は終息し、平穏な生活が訪れたという。そして一家の話題は人々の間で忘れ去られていったということだ。
引っ越し以来続いていたパンシーニ一家のポルターガイスト現象と息子2人のテレポーテーションをどう理解したらよいのか、今となると判断は難しい。だが、現実に起きた超常現象として世界を代表する逸話の一つであることは間違いない。
参考:「Mysteries Universe」、ほか
※当記事は2021年の記事を再編集して掲載しています。
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提供元・TOCANA
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