AFCアジアカップでベスト8という結果に終わった日本代表。GK鈴木彩艶(シント=トロイデンVV:STVV)が全5試合で失点したこともあり「GK経験不足問題」が叫ばれる中、GKミオ・バックハウス(日本名:長田澪)の将来が話題に。同選手は川崎フロンターレ下部組織出身であり、ブンデスリーガ(ドイツ1部)ベルダー・ブレーメンからオランダ1部FCフォレンダムへ期限付き移籍している。
日本とドイツの国籍を有するバックハウスは、身長194cmで右利きの大型ゴールキーパー。川崎の下部組織やU15日本代表でプレーしていたが、10代なかばで渡独。2018年7月にブレーメンの下部組織に加入すると順調にステップアップ。2023年4月にU19世代のリーグ戦で出場機会を取り戻すと、昨年夏にフォレンダムへ期限付き移籍。今季ここまでオランダ1部リーグ全22試合でスタメン出場も53失点。クリーンシートはわずか1回であり、チームも2部降格圏の17位に沈んでいる。
年代別のドイツ代表でプレーしているバックハウスだが、日本サッカー協会(JFA)は同選手のA代表招集にむけて動いている模様。昨年2月には、森保一監督がブレーメンのクラブ施設を訪問し、本人と面談したとドイツ国内で報じられている。
日本代表入りを期待する声も挙がる中、ドイツ紙『ビルト』は今月20日、ブレーメンGK陣の今後を特集。これによると、2017/18シーズンからブレーメンでプレーしていたチェコ代表GKジリ・パブレンカの今夏退団がほぼ確実である模様。トップチームのGK枠に空きが生まれる可能性があるだけに、同紙は「ブレーメンにとって、将来的にはバックハウスがより安価で興味深い選手となる」と伝えている。
またブレーメンのスカウト部門責任者であるクレメンス・フリッツ氏は「バックハウスは順調に成長している。我々のもとには3人の優秀なGKがおり、全員が野心を持っている。しかし、我々はいつ計画を始めるかを明確に決めている。それはすぐに実現するだろう」と、同選手の今夏復帰を示唆したという。
鈴木、GK前川黛也(ヴィッセル神戸)、GK野澤大志ブランドン(FC東京)がアジアカップ開幕前の時点でA代表キャップ数5未満と、経験不足が指摘されている森保ジャパンのGK陣。今後バックハウスがブレーメンで頭角を現すとなれば、パリ五輪世代の有望株として期待されている鈴木に脅威を与えるかもしれない。