■訪れた永遠の別れ

そんなある日のこと、Aさんは転倒して腰を骨折。そのせいで寝たきりになり、入院を余儀なくされた。その後の3月3日に息を引き取ったが、子供たちを含む遺族はBさんに事実を伝えることができなかった。

年の割に元気とはいえ、Bさんも80代後半。心配した家族は「せめてお別れが言える状態になるまで遺体を預かっておこう」と考え、様子を見守ることにしたのだ。

しかしAさんの死からわずか2日後、病院にいたBさんが突然死亡。Aさんの死については何も知らぬまま、帰らぬ人となった。