ですから、例えば、日本を含め先進国の人々はあくまで楽しみのための旅行として砂漠に行ったり、山に登ったり途上国の僻地の村の祭りを見に行ったりします。

これは好奇心を満たし、日常とは異なる体験をして、自分の人生を豊かにするための活動です。また普段と違う環境に見ようことで、新たなアイディアを得られると言うこともあります。

ところが、途上国の人々にとってはわざわざ不便な山に行ったり、田舎に行ったり、古い祭りを無理と言うような活動が楽しみと言う風にはならないのです。

彼らが旅行先として好むのは、都会の人工的なビルだったり、ディズニーランドだったり、人工的なアミューズメントパークやクラブのド派手なパーティーです。

日本の生活は実はあたりまえではない? kokouu/iStock

ですから、彼らの間ではキャンプ用品やアウトドアグッズの需要がありませんし、ヒマラヤ登山や今後の川下りの話を講義で行うイベントも人気はありません。

ところが特に欧州の北部の国々に行きますと、ある程度の教育レベルの人々の娯楽と言うのはハイキングや山登りだったりしますし、大学や研究所で行われる冒険旅行の話はかなり人気があります。

美術館や博物館では、南米やアフリカの伝統的な衣装や祭りの展示が行われます。

こういった欧州北部のある程度の教育レベルの人々にとって人気がある日本のコンテンツというのが古民家であったり、陶芸とか城とかだったりするわけです。

これはインプレゾンビをやらざる得ない途上国の農村の人や低賃金の人々だけではなく、実は新興中流層や上流階級も似たところがあります。

彼らは先進国の人々が好むようなアウトドアとか通な美術展を楽しむ習慣がありません。アンティークにも興味がない人が多い。

とにかく目立ってわかりやすいものではないとお金を使いません。

例えばロレックス、金色の車、ブランドロゴがドーンと書かれたカバン、巨大なアクセサリー、量の多い食事などです。知る人ぞ知る、ではなく「誰でも知っていてわかりやすい」出ないとダメです。

これはアニメや漫画にも似たところがあり、彼らが好むのはドラゴンボールやワンピースであって、「異世界失格」とか「異修羅」ではないわけです。

これはインバウンドのアイディアを考える場合にも重要で、彼らは北米や欧州の富裕層が好む渋い食事やイベントや古民家は嫌いで、新しくて単純なものが好きです。看板やパッケージも派手にしてわかりやすくしないと刺さらないわけです。

【参考記事】

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