7月現在、日本の暗号資産取引業者数は32社を超えており、5月の現物取引高は1兆2589億5900万円にのぼるという(参考) 。国内で円安回避や資金調達に暗号資産を活用する事例が増えている一方、世界では投資、運用、企業間取引などを目的に暗号資産を活用する企業が増加している。
暗号通貨の普及に伴い、企業がデジタル資産を業務に統合するための効率的で安全な方法を求めるなか、カナダの暗号通貨取引所Finrexは「Finrexカード」の発売を6月末に発表した。
この新しいカードにより、デジタル資産の実用性が高まり、企業はカード決済を受け入れているあらゆる店舗で手軽に暗号通貨を利用できるようになる。
オンライン・実店舗で暗号通貨を現金のように使用可能
2021年に設立されたFinrexは、安全で便利、革新的なデジタル資産取引サービスを提供することを目的とした集中型ブロックチェーン取引所。Bitcoin、Ethereum、Solanaをはじめ多数の暗号通貨を取り扱っている。
Fireblocks暗号資産保管業者と協力して暗号通貨保管を行っており、マルチレベルのデータ暗号化、監査、ベストプラクティスガイドラインにより顧客アカウントを保護し、高度な機械学習を使用して疑わしいログイン、アカウント乗っ取り、金融詐欺を発見している。
今回、Finrexが発表したFinrexカードはMastercardを搭載。ユーザーはApple PayとGoogle Payを通じて、オンラインでも店舗でも暗号通貨を現金のように使用できる。設定は無料で、月額料金もかからない。月の限度額内であれば、ATM手数料は無料。それ以降は1回の出金につき1.5ドルかかる(一部の現地銀行では、ATMでの引き出しに追加料金がかかる場合がある)。なお、1日の支出額は10,000ドルだ。
この新しいカードにより、日常の取引でデジタル資産をより便利かつ効率的に使用できるようになる。
暗号通貨をこれまで以上に使いやすく
設立以来、Finrexは着実に進歩を続けており、企業のデジタル変革を推進する力としての評判を確固たるものにしている。FinRexカードの発売は、暗号通貨の利点をあらゆる企業の手が届く範囲にもたらすというFinrexの取り組みを強調するものであり、顧客のニーズへの献身を示している。
Finrexは、企業による暗号通貨の使用に革命を起こすという取り組みを今後も継続し、暗号通貨取引市場のリーダーとしての地位を強化していく姿勢だ。
(文・Haruka Isobe)