アシックスは7月12日、自社が保有する政策保有株式を2024年中にすべて売却すると発表した。アシックスは、三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株を始め、三越伊勢丹ホールディングスやしまむら、ゼビオホールディングス、チヨダ、アルペン、セブン&アイ・ホールディングスなど25社の株式を保有している。

 政策保有株式とは一般的に、純粋な投資目的ではなく、取引先との関係維持や買収防衛の目的で相互に持ち合ってきた日本企業独特の慣習だ。しかし、資本効率が悪く、株式の流動性が下がるなどの理由から、海外の投資家からは批判の声が強く、東京証券取引所も保有の適否を検証するべきだとしていた。アシックスは保有先にも株式の売却を促し、持ち合いの解消を進める考えだ。

 グローバル展開しているアシックスは、2023年12月期決算では中国や東南・南アジア、欧州、北米などすべての地域で増収を達成しており、売上高に占める割合は約77%にまで上がっている。政策保有株式を売却することで、海外の機関投資家や個人投資家の比率もあがっていくとみられる。

 また、アシックスは同日、2024年12月期の業績予想の修正を発表した。売上高は6600億円(修正前は5900億円)、営業利益は950億円(同580億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は580億円(同360億円)に上方修正した。

 アシックスの株価も今年に入り上昇を続けている。1月4日の始値で1075円だった株価は、年初来最高値を更新し続け、7月12日の終値は2564円とこの半年で2.5倍にまで上昇している。時価総額は1兆9473億円と2兆円の大台の目前だ。

文・高村 学/提供元・SEVENTIE TWO

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