アメリカの共和党大会でトランプ氏を大統領候補に決定し、トランプ氏は副大統領候補にJDバンス(James David Vance)氏を指名しました。トランプ氏は大統領候補の受諾の表明をするばかりとなっています。

トランプ前大統領インスタグラムより

銃撃事件で耳に負傷を受け、血を流しながらもガッツポーズをするドラマの一シーンの様なトランプ氏の画像は長く多くの人の記憶にとどめることになるでしょう。もちろん、あの決定的写真のインパクトも素晴らしく、写真を撮ったカメラマンはピューリツァー賞確実ともいわれています。多くの民主党支持者にとってみれば「この瞬間、民主党の芽は無くなった」と感じたことでしょう。老いが目立つバイデン氏が頑なに大統領のポジションにしがみつきネガティブなイメージが先行する民主党とは偶然とはいえ、あまりにも好対照な結果となりました。

トランプ氏が好き嫌いという話ではなく、敵に向かって挑む強さが一部のアメリカ人を熱狂させているともいえ、忘れかけていたあの時のアメリカが戻ってきた感すらあります。代弁するならもやもやが吹っ飛んだ、そんな感じでしょうか。

ご承知の通り、私はトランプ氏支持者ではありません。かといって民主党が良いとも思っていません。もちろんアメリカに住んでいない者にとって支持も何もあったものではありませんが、逆に言えば中立的なものの見方ができるともいえるでしょう。その私でも今の情勢とトランプ氏の尽きない幸運の数々、襲撃されても銃弾が耳を貫通するにとどまる奇跡、その事件の余韻が冷めやらぬ中での共和党大会、抱える裁判もトランプ氏有利な判断が次々と出て挙句の果てに機密書類持ち出し事件では連邦地裁が棄却し、少なくとも11月の大統領選まで裁判らしきものはないところにこぎつけました。ここまで駒が揃ってしまえば想定外の事態が起きない限り、大統領選は実質終了とみてよいでしょう。