鈴木彩艶 写真:Getty Images

 日本代表GK鈴木彩艶(シント=トロイデンVV)は、今月31日開催のAFCアジアカップ決勝トーナメント1回戦バーレーン戦でもスタメン出場。FW上田綺世(フェイエノールト)と交錯してオウンゴールを献上したシーンを巡り議論が白熱する中、米メディア『ESPN』が鈴木の将来を憂慮。日本代表ゴールキーパー陣の国際大会における経験のなさにも触れている。

 パリ五輪世代の有望株として期待を集めていた鈴木は、ベトナム戦でスタメン出場も、前半のうちにセットプレーから2失点。特に2失点目はヘディングシュートに対する処理が甘かった点で批判の対象となっていた。

 またイラク戦では、5分に自らパンチングしたボールがFWアイマン・フサインの正面に行くと、フサインにヘディングシュートで押し込まれて、先制点を献上。インドネシア戦でも後半アディショナルタイムにセットプレーから失点していた。

 そしてバーレーン戦でも、2-0で迎えた64分にコーナーキックからのヘディングシュートを弾くと、こぼれ球を勝利しようとした際に上田と接触。上田がゴールライン上でのクリアを試みたが、ボールはゴールマウスに吸い込まれたほか、直前にはパンチングでピンチを招いていた。

 4試合連続失点の鈴木について、『ESPN』は「彼はつい最近欧州移籍を果たしたばかりの将来有望な選手である。日本の説得力のない失点で彼が責められるわけではないが、アジアカップここまで全試合でミスを犯しているという事実は無視することはできない」と指摘。

 「森保監督は興味津々でアジアカップの代表メンバーに、極めて経験の浅いゴールキーパー3人を選んだという意味で、(アジアカップでのミスは)彼だけのせいではない」と、A代表で5キャップ未満のGK陣に言及した上で「森保監督は鈴木への信頼を維持し続けることを選択している」と、準々決勝以降も同選手がゴールマウスの前に立つと予想している。

 その上で「森保監督が鈴木の先発起用を続ける理由のひとつに、鈴木の自信を完全に打ち砕くことがないようにするためだが、メジャーな国際大会におけるたった一度の敗北で、彼の将来が台無しにならないように、彼に対して増大する否定的な視線から守ることも可能だ」と、鈴木のベンチスタートも選択肢だと主張している。