危険すぎる“出版プロデューサー”とは
先日、元出版社に勤務していた「出版プロデューサー」の岩尾さん(仮名)と会食をしました。本人は一流を標榜しているものの、リスクが高いと思いました。大手出版社で編集者をしていたことはありますが、ヒット作もなく実績に乏しいからです。
さらに、コンサルティングファーム出身だと言います。次のような会話をしましたが嚙み合いません。コンサル業界出身者なら「ファーム」と言えば100%わかるものです。
尾藤:どちらのファームご出身ですか?
岩尾:ファームとは?私は2軍ではありません。
尾藤:いや、野球のファームではなく、コンサルティングファームのことです。
岩尾:野球チームのコンサルのことですね。たくさんの実績があります。
尾藤:そうではなくて。どちらのファームご出身かと思いまして……
「出版プロデューサー」の仕事は著者と出版社のマッチングにあります。多くの出版社とコネクションをもつ人は強いですが、そのような人は出版実績を提示するものです。編集者あがりの出版プロデューサーは多いものの注意をしなければいけません。
出版希望者は大勢いるので、情報が乏しい人に「出版させてあげるよ!」なんて甘い言葉をかけて、お金を搾取する人が増えてきます。選択する側が賢くならないといけません。
いまの時代は、出版しても売れる保証はありませんから出版社の判断も早い傾向にあります。重版率は1割程度といわれています。1万部を超えるのは1%程度です。
そのためには、人から応援されるネットワーク形成も必要になります。私がいずれセミナーで話したい内容。それは「出版業界をおおっぴらにした話」かもしれません。
皆さまのチャレンジが実を結びますように!
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)