みなさんは「カルスト」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。石灰岩などの水に溶けやすい岩石で構成された大地が雨水や地下水などによって浸食されてできた地形をいいます。

これが地下にできたものが鍾乳洞であり(鍾乳洞の成り立ちにはほかの過程も存在します)、地上にできたものがカルスト地形です。日本では山口県の秋吉台が有名ですが、実は四国にもカルスト地形、いわゆる「四国カルスト」が存在します。

その場所があるのは四国の中央に東西に聳える四国山地。その西部、愛媛県と高知県の県境部分は特にカルスト地形がよく見える場所です。

わたしは今天狗高原と呼ばれる場所の駐車場から写真を撮っていますが、ここに車を止める途中、ナビが「愛媛県に入りました」「高知県に入りました」を連呼していました。目に見えない境界線がここを走っています。

四国カルストのビジターセンター「カルストテラス」

天狗高原には四国カルストの成り立ちや、カルストとは何かについてやさしく解説してくれる施設「カルストテラス」があります。

カルストテラス内の展示動画より。

四国カルストの石灰岩はかつて海底火山の上に生息していたサンゴ礁の死骸です。海洋プレートが南海トラフに沈み込む際に石灰岩と化したサンゴの死骸が海底に堆積、のちに土地が隆起して標高1400mの場所まで押し上げられ表面に現れました。

中央のヤイロチョウなど、四国カルストに住む生き物も展示。