復活の話題に合わせたタイムリーな作品に?
フジミ製1/24スケール・プラモデルのホンダ・プレリュード2.0Siを、エンジン再現なども込みで作り込んでみようという連載の7回目である。前回・第6回目にしてついに完成したプレリュードであるが、その全体像はまだお見せしていなかった。今回は、その出来栄えをご覧いただこう。
第1回以来、再三述べていることではあるが、このプレリュードはフジミ製1/24スケール・プラモデルをベースに、タミヤ製二代目プレリュードからシャシーを、同社製セリカGT-FOURからエンジン周りを移植しつつ、不足している部分はプラ材での工作で補い、エンジン再現を盛り込んだ作品として仕上げたものである。グレードは2.0Siで、これはフジミのキットから変更はない。
無事完成した、作者過去の愛車仕様プレリュード。ダークブルーやブラック、あるいはレッドといったカラーのイメージが強い三代目プレリュードだけに、ホワイトのボディカラーが新鮮な印象だ。
プレリュードといえば、バブル経済絶頂期に人気を博した車種としてはありがちなことに、車種消滅(2001年)の後も復活を望む声は多く、2023年にはホンダからプレリュード・コンセプトなるモデルが発表されている。これは同年10月のジャパンモビリティショーでベールを脱いだものだが、つい数日前(2024年7月8日)には欧州での正式発売予定(時期は未定)と新たなボディカラー(レッド)の姿も発表されており、そうした意味でもタイムリーな作品になったと言えるのではないだろうか。
それはさておき話を戻すと、前述のような作りこみを行っただけでなく、この作例には、実在の個体をモデルとした変更が随所に施されている。ナンバープレートはもちろん、ミシュランのタイヤ/ホイール、室内のコンソールボックス(実車に存在した純正オプション)などがそれにあたる部分だが、これによって作例の実在感が高まっているのは興味深い。たとえ同様の特徴を持つ実車を見たことがなくても、細部の変更が現実味を高めているのが実感されるのだ。
人に歴史あり!を実感させてくれる作例
さて、当初から述べている通り、その実在の個体というのは、作者Ken-1氏がかつて所有していた個体のことである。筆者自身の個人的な印象を語らせていただくと、制作にかかる前の打ち合わせ時点で、「昔乗ってたプレリュードを作ってみたいんや~」と言われた時には、失礼ながら若干妙な気がしたものだ。編集者とモデラー/ライターとして付き合いもだいぶ長いのだが、Ken-1氏とプレリュードというのが、脳内であまり結びつかなかったのである。
Ken-1氏の歴代の愛車としてこちらが知っているのは、スバル・インプレッサやアルファロメオ159だが、いずれもワゴン。よき父親でもあるKen-1氏にこちらが勝手に抱いているイメージを大きく裏切るものではない。家族で乗れて、荷物もたっぷり積めて、スポーティな走りも楽しめて……という訳である。しかし考えてみれば、Ken-1氏にも父親となる前の時代があったのは当たり前で、デートカーとして定評のあるプレリュードを乗り回していた時期があったとしても、全く不思議はないだろう。
そう思って今、第1回を読み直してみると、「F1のホンダ」に魅力を感じ購入に至った、ということが書かれている。実際のところはどうだったのだろうか? ……と、そんなことはともかく、プレリュードの全体像から細部まで、じっくりと写真をご覧いただきたい。
写真:羽田 洋/Ken-1(制作過程のみ)
文・秦正史/提供元・CARSMEET WEB
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