長迫 吉拓 選手インタビュー

ーいつもGETA LABOの一本歯下駄を履いていただきありがとうございます。

下駄はどんな場面で履いていただいていますでしょうか。

「1年ほど前に色々な下駄を試させていただき自転車競技に一番最適なものを製作していただきました。いくつもの試作を経て今回の形になったのですが感覚を掴む意味で練習前だったり遠征先のホテルで履くことが多かったです。」

ー試作を試す中でこだわった部分というのはどんなことだったんですか

「自転車の選手で一本歯下駄を使う人は意外といるのですが歯の位置が真ん中だったり後ろだったり様々でした。自分は自転車を漕ぐためのパフォーマンス向上を目指していたのでペダルを踏む位置に歯があることが前提条件でした。あと地面からの高さによって重心の位置が変わると聞いたので地面とペダルまでの高さと下駄の高さを揃えてもらいました。」

ー下駄を履いてみてどんな効果を感じることができましたか。

「これを履いて役に立つなと感じるのはペダルをしっかり踏み込むことができるという感覚が得られるのはもちろんですが、ペダルを漕いでいて持ち上げた時にたまに踵がグニャッとなって抜けることが少なくなって足首が安定感がでたのでこれは下駄によって鍛えられたなと感じています。」

ー初めて試していただいた時に筋力トレーニングはしっかりしているので下駄でしか鍛えられない形を目指したいとおっしゃっていました。

「自転車を漕ぐ上で踵の位置を安定させて足首がしっかり固定していないと力のロスになってしまいます。特にスプリント競技ではスタートして2歩目の感覚がとても大切でここで踵がグニャッとなると重心移動が不規則になり一気に失速してしまいます。車輪が動いてない状況で力を入れるのでたまに力を入れるタイミングが変わってしまうことがあるんです。筋力トレーニングをしているのでパワーは向上するんですがスタートに関してはパワーではなく80%くらいはテクニックが重要だと考えていてそのテクニック向上のためには足首を固定して重心を移動するのが大切です。

ー実際に下駄を履いていて筋肉の働きを計測していても足裏や足首を固めるための筋肉がしっかり働いていることがわかっていますが、自転車競技において重要なテクニックの部分を下駄によって補完することができたんですね。特にどんな運動をされていましたか。

「そうですね、スタートテクニックは自分にとって命みたいなものです。下駄を履いて特別な動きをするわけではないのですが部屋の中を歩いていたりスクワットをしたりしていました。このラルクを履いていて足裏にガツンとくる感覚が好きですしカッコイイですよね。

ー日本代表として3人一組で走るトラック競技短距離種目のチームスプリントで第1走を務めます。1年間の間、自身の競技と向き合う中で積極的に一本歯下駄を導入いただいた長迫選手のご協力に感謝申し上げお礼の言葉とさせていただきます。

「メダルを取りに行くので期待してください」