■ 豊かな自然や生態系を尊重したサステナブルな設計
従来のリゾート開発は、森やビーチを切り開く大規模な造成や大量のコンクリートを使った基礎工事、建設現場での大量の廃棄物など自然環境への負荷が小さくありませんでした。一方今回建設したヴィラは従来の開発とは一線を画し、自然環境負荷を最小化したサステナブルな工法で開発を行いました。
従来のリゾート開発は、森やビーチを切り開く大規模な造成や大量のコンクリートを使った基礎工事、建設現場での大量の廃棄物など自然環境への負荷が小さくありませんでした。一方今回建設したヴィラは従来の開発とは一線を画し、自然環境負荷を最小化したサステナブルな工法で開発を行いました。
ADXでは、3D測量データや土中、水中から採取される生物由来のDNAを調査・分析し、森林地域が持つ多面的な価値を統合的に可視化、評価する「森のカルテ」というアセスメントを行っています。今回の計画時にも3D LiDARを用いた簡易的な調査を実施し、敷地内の地形をデータ化することで最適な配置計画を実現しています。
奄美大島の亜熱帯海洋性気候に適応し、地域固有の生態系に配慮した建築方法を採用。高床式の独立基礎工法や国産針葉樹を使用したバイオ素材のフラン樹脂加工技術、炭化コルクの内装材など、環境負荷の低減と持続可能な資材使用に取り組みました。さらに、シロアリ防除技術を用いることで建物の長期的な保護も図り、よりサステナブルな建築を目指しています。
自然立地での建設施工においては、現地の資材・職人不足を補うために、一定程度遠隔地から材料を運搬したり、技術人材を派遣することが求められます。一方で、現地施工期間が長期化することにより環境負荷も問題視されてきました。そこで本プロジェクトでは、床、壁、天井などの部材をパネルとしてあらかじめ工場で製造し、現場で組み合わせて建築するパネル工法を採用。現地でのヴィラ建設期間を従来工法の1/3である約2ヶ月まで短縮しました。
完成図
分解図
今回は、計画・設計・維持管理段階で検討した環境配慮の取組が実際に効果を発揮しているかを検証するため、長期的なモニタリング調査を実施しています。建築物のライフサイクルでの環境負荷を定量的に評価するLCA(ライフサイクルアセスメント)調査等により、自然環境への影響を定量化・モニタリングします。
EARTH WALKERとは、株式会社ADXが4月に発表した新しい建築プラットフォーム。冒険家の精神を持つ人々が、勇ましい山々、巨大な氷河、多様な生命の宿る豊かな森などのような、まだ見ぬ未開の地において安全に滞在し、豊かな自然を楽しめるよう設計されています。
「EARTH WALKER」は、インフラが制限された過酷な自然環境でも快適に生活できる水準まで機能を高めた「サミットシリーズ」と、森や湖畔など都市からアクセスしやすい自然の中で快適に暮らすための「カスタムシリーズ」で構成されます。
「カスタムシリーズ」は「サミットシリーズ」の意志を汲みながらも、より実現性と事業性を確保したシリーズとなり、今回の「MIRU AMAMI」もこのシリーズの1つとして設計・施工しました。高いメンテナンス性と施工の安全性を実現するとともに、国産材の活用を促す高い木質化率を追求している点が特徴的な建築ブラットフォームを活用しています。
ADX EARTH WALKER プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000077057.html