【イギリス製にこだわるハイグレード“チタンウオッチ”】英国の新鋭“APIAR(アピア)”に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

APIAR(アピア)は、最先端技術を駆使して本格的な機械式高級時計の製作に取り組む、英国発の日本未上陸マイクロウオッチブランド。 創業者のマット・オイストハイセンと共同経営者のサム・ホワイト、幼なじみ2人でエンジニアリング、時計製造、テクノロジーへの情熱を分かち合いながらブランドを創設し、独創的な時計を生み出している。

マットはテクノロジーと積層造形業界の出身、サムは原子力エンジニアとして働いていた経歴をもつ。マットは積層造形のエンジニアリングで培った経験から、最適化され、持続可能な部品製造を時計に応用することを思いつき、後にこの構想からアピアの創設を実現することになる。

マットはブランド創設前にこのコンセプトをサムに話したそうだが、サムはすぐにマットの構想に魅了され、アピアに加わることとなった。コマーシャル・ディレクターのウィル・キャロルも、マットやサムと同じくテクノロジーマニアであるそうだ。

【イギリス製にこだわるハイグレード“チタンウオッチ”】英国の新鋭“APIAR(アピア)”に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

アピアのチームは航空宇宙で使用されているのと同じテクノロジーを活用し、レーザーを用いることで時計デザインの限界を押し広げることに全力を注いでいる。

アピアの時計は、すべて持続可能な手法を用いて、英国で製造されている。 創業当初より低炭素素材の調達を行い、英国のサプライヤーを活用し、英国での製品製造に取り組んでおり、時計部品の80%は英国で製造されているそうだ。


【イギリス製にこだわるハイグレード“チタンウオッチ”】英国の新鋭“APIAR(アピア)”に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

3APIAR(アピア)
インベニールv 1.0

アピア インベニール v1.0は、二つのパーツで構成されたグレード23チタンケースを採用するフラッグシップコレクション。ケースサイズは直径39mm、厚さ12.55mm。立体的なベゼルと格子状の装飾が目を引くケース、文字盤中央にギョーシェ模様が施された真鍮製の文字盤が特徴だ。

ムーヴメントは、スイスのラ・ジュー・ペレが製造した自動巻きのCal.G100を搭載。ドーム形サファイアクリスタル風防、厚さ1.4mmのサファイアクリスタルを設置したシースルーバック仕様で、100m防水を備えている。

アピアのウェブサイトで掲載されている3Dコンフィギュレーターを利用することでインベニールv1.0をカスタマイズすることが可能だ。カスタマイズの選択肢の中にはケースの側面にある格子窓パターンを3種類から選択が可能となっている。

アピア インベニール v1.0の販売価格は約24万6000円から。3Dコンフィギュレーターでカスタマイズした時計の詳細決定した後、生産に入り、最終製品は約4~6カ月で完成となっている。


【“金属3Dプリント”技術を活用した時計作りに注目】

【イギリス製にこだわるハイグレード“チタンウオッチ”】英国の新鋭“APIAR(アピア)”に注目
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

アビアの時計製造の特徴である“積層造形”は、一般的に金属3Dプリントとして知られており、近年になって精度とコストの両面で大きな進歩を遂げ、消費者市場でも利用しやすくなった。 アピアではレーザー粉末積層造形法を用いており、時計製造でより一般的に使用されるグレード5ではなく、航空宇宙規格グレード23チタンを採用している。

高精度レーザーを利用して、一度に1層ずつ1660°C以上でチタン粉末を選択的に焼結し何千もの複雑な0.06mm焼結層によって複雑なケース形状を形成。

デパウダリングと部品内の残留応力を緩和する熱処理の後、ビルドプレートケースには機械加工が施される。

最先端の5軸CNC(コンピューター数値制御)マシンを使用することで時計ケースのエッジ、カーブ、表面はシャープに変化し、 アピアの個性的な“格子窓”ケースが完成するのだ。

文字盤は1820年に創業した、英国の片田舎の家族経営企業で 3mmの真鍮ビレットから作られている。 0.1 mmのカッターを備えた高精度CNCマシンが文字盤を彫り、ユニークなギョーシェ模様を作り出す。 文字盤はその後、ハンドペイントとパッドプリントにより完成し、“Made in the UK”が印字される。

積層造形により従来の製造方法と比較して材料の無駄を最小限に抑えたケース製造を実現したほか、アピアでは二酸化炭素排出量を削減するために現地パートナーを慎重に選定し、“Made in the UK”というブランドのコミットメントを強調している。 各パーツの英国サプライヤーのリストは、アピアのウェブサイトに掲載されているので、気になった人はぜひチェックしていただきたい。


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。