1月15日、とあるポストがX(旧ツイッター)を騒がせた。路上の石畳の上に目にも鮮やかな赤い封筒が落ちているというもので、発見者は「封筒?」とだけ書き込み、拾って手にとった様子を3枚の写真に納めていた。赤い封筒はお年玉のポチ袋と同じか少し大きい位で、表には金色で中華系の模様が入っていた。

 だが、この投稿に対し、即座に「拾ったらあかん!」「あ、もうだめだ」という書き込みが殺到。中には「ご結婚おめでとうございます」という祝いの言葉も寄せられていた。

 なぜ拾ってはいけなかったのか。実はこの「道端に落ちている赤い封筒」は、台湾で今も行われている「紅包」という風習のものと酷似していたからだ。

 台湾には若くして亡くなった女性の霊を慰めるため、遺族が赤い封筒に女性の遺髪や写真を入れ、道端に落として男性に拾わせる伝統的な風習がある。もし男性が拾ってしまった場合、亡くなった女性との婚姻を迫られるというのだ。

 中国では伝統的に男系家族優位であったため、未婚の女性は祭祀の対象にならないとされていた。そこで亡くなった女性も祭祀の対象に入れるため、亡くなった女性に配偶者を迎える「冥婚」や「姑娘廟」という特殊な設備で祭祀したりするのだという。しかし、亡くなった女性の配偶者になるということは「あの世に連れていかれる」という事でもあり、そうそう相手になりたがる人はいない。そこで封筒を道端に落として誰かに拾ってもらうのを待つのだ。ちなみに、拾った相手が女性だった場合、遺族が回収するのだという。

 しかし、台湾で見られる風習がなぜ日本で確認されたのか。今回の写真からは都内の上野御徒町周辺であることが判明しており、この投稿を受けて都内の別の場所、新宿歌舞伎町等でも「見た」という報告が寄せられていた。そのことから、「台湾では拾う人がいなくなってしまったから、別の地域で落とすようになってのではないか」という説も出てきていた。

 一方で、写真の封筒は中国の旧正月にてお年玉と同様に用いられる袋と同じものであることから、単に旧正月が近いから誰かが使う予定の袋を落としただけではないか、という指摘も寄せられていた。

 発端の写真を投稿した人物は「封筒問題の件、解決いたしました」と書き込んでいたが、封筒の持ち主から「詳細の公表は控えてほしい」との申し出があったため、話し合いの結果「問題が解決した」ということだけ報告することになったという。背景が気になる人もいるかもしれないが、ひとまずは円満に解決したようで一安心といった所だろうか。

 いずれにせよ、道端に落ちているものは無闇に拾ったりしてはいけないと心がけたほうが良さそうだ。

参考:X

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提供元・TOCANA

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