マインドフルネスの好例

マインドフルネスの瞑想は、Googleをはじめ、多くのグローバル企業で導入されて日本でも関心が高まっています。マインドフルネスを、うまく実行できれば、仕事のパフォーマンスに好影響を与えることは間違いありません。

しかし、内面へのアプローチは影響が大きいため、事前にメリットとデメリットについて理解することをお勧めします。

マインドフルネスを説明すると、どうしても抽象的になりやすいので、わかりやすい事例を紹介します。これは、有名な話になりますが、箱根駅伝で青学が躍進した秘密は「マインドフルネス」にあるといわれているのです。

箱根駅伝で3連覇の快挙を遂げた際、原監督は、調子の波が激しく、よいときはものすごい力を発揮するタイプの選手(秋山選手)を往路の3区に起用しました。駅伝では、監督が乗った車が並走して声をかけることができます。どんな言葉をかけるかが選手の走るモチベーションを左右するのでモチベーションを上げる声かけが必要になるのです。

原監督が選手に向かって、「Perfumeのリズムでいくぞ!Go Go」と声をかけました。選手の顔がニヤッと崩れたあと、腕の振りが明らかに変化し、先頭の選手を抜き去り、2年連続の区間賞にも輝いたのです。マインドフルネスの効果で精神的な能力を引き出した好例といえるでしょう。

多くの企業で取り入れられているマインドフルネス。「イライラしても冷静に対処できた」「動揺してもやるべきことに集中できた」「身体や心の疲労を感じにくくなった」「前向きに取り組めるようになった」「不安や怒りの感情が消えた」などなど。いまのストレス社会において、マインドフルネスに注目が集まることは「自明の理」とも言えるのです。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)