日本人選手がメジャーリーグで活躍する姿は、長年にわたり多くのファンに感動を与え続けてきた。特に、打率という重要な指標で高い成績を残した選手たちは、その技術と精神力の高さを証明している。今回は、日本人選手の中でシーズン打率トップ10をランキング形式で紹介し、その詳細について掘り下げていく。

【MLBデータ】日本人投手のメジャー最多奪三振ランキング

 まずは、6位-10位まで。

【6位―10位】
6位:鈴木 誠也
 シーズン打率 .285(2023年/515打数147安打)

7位:井口 資仁
 シーズン打率 .281(2006年/555打数156安打)

8位:岩村 明憲
 シーズン打率 .274(2008年/627打数172安打)

9位:大谷 翔平
 シーズン打率 .273(2022年/586打数160安打)

10位:福留 孝介
 シーズン打率 .262(2011年/530打数139安打)

 続いて、上位5人を5位からお届け。

5位:青木 宣親    シーズン打率 .288(2012年/520打数150安打)
 2012年、ミルウォーキー・ブリュワーズに所属した青木宣親は、MLBデビューイヤーであるにもかかわらず打率.288、また出塁率も.355と非常に高い数字を残した。その後も安定した成績を残し、MLB6年間の通算打率も.285を誇った。青木はNPBでの実績を引っさげ、メジャーリーグの高い競争環境に挑戦し、その打撃技術を遺憾なく発揮することに成功した。

4位:吉田 正尚    シーズン打率 .289(2023年/537打数155安打)
 吉田正尚はWBCでの活躍を引っ提げて、MLB初年度を迎えたが、いきなりその才能を遺憾なく発揮した。名門レッドソックスの4番を任された吉田は、開幕戦からヒットを記録すると、年間140試合に出場し、155安打、打率.289のハイアベレージを記録した。また、2塁打も33本、ホームランも15本で、長打力も十二分にアピールする1年となった。

3位:城島 健司    シーズン打率 .291(2006年/506打数147安打)
 城島健司は、シアトル・マリナーズで2006年に打率.291を記録した。彼はNPBから直接MLBに移籍した初のキャッチャーであり、その挑戦は非常に大きな意味を持つものだった。堅実な打撃で、147安打、18本塁打、76打点を積み重ねたが、チームへの貢献は打撃に留まらず、キャッチャーとしての守備力とリード面でもチームを支え、そのリーダーシップは、マリナーズのピッチングスタッフに大きな安心感を与えた。

2位:松井 秀喜    シーズン打率 .305(2005年/629打数192安打)
 2003年に読売ジャイアンツを飛び出し、MLBの名門ニューヨーク・ヤンキースに入団した松井秀喜は、世界中から注目を集めプレッシャーのかかる中、開幕戦からタイムリーを放つなど、ニューヨークの野球通もうならせる活躍を見せた。デビュー年から163試合に出場.287とハイアベレージを残し、2年目も.298。そして、3年目にはキャリアハイとなる.305を記録した。MLBで日本人選手が3割を超えたのはイチローと松井秀喜のみであることからも、いかに大変な記録かがうかがえる。また、この年は192安打、116打点とこちらもキャリアハイ。デビュー年の活躍や、2009年のワールドシリーズMVPなど、記憶に残る活躍を見せた松井秀喜だが、記録に関しては、2005年が最も活躍した年であった。

1位:イチロー    シーズン打率 .372(2004年/704打数262安打)
 日本に留まらず、世界を代表する安打製造機、MLBの歴史に名を刻む日本人選手は、やはりこの男。イチローはシアトル・マリナーズに所属していた2004年シーズンに、彼のキャリアの中でも特に輝かしい記録を残した。この年、イチローは打率.372を記録し、MLB全体でもトップの成績を収めた。さらに、シーズン最多安打記録である262安打を達成し、ジョージ・シスラーが1920年に記録した257安打を84年ぶりに更新する偉大な記録達成となった。また、打率3割以上を10年連続で達成し、MLBの生涯打率で.311という驚異的な数字も残している。イチローは日本人の垣根を超え、現在でも多くの若手メジャーリーガーから尊敬を集めている。

【MLBデータコラム】「スピードスター」は誰か、日本人選手メジャー盗塁ランキング

 日本人選手たちがMLBで残した成績は、彼らの卓越した技術と努力の賜物。特に上位にランクインした選手たちは、それぞれの持ち味を活かし、チームの勝利に貢献してきた。大谷翔平選手は、二刀流お休みの今年、打率 .314で打者として好調なシーズンを送っている(日本時間2024年7月12日現在)。自身の2022年の記録を塗り替え、イチロー選手にどこまで迫れるか楽しみだ。

(SDAA編集部)