実際、街の反応は頗るよく、チラシも次々に受け取ってもらえる。スーパーの前では駅前よりも人の流れが緩やかであることもあって、立ち止まって会話もできた。大声で主張したり、こぶしを振り上げるわけでもないのに、有権者からはただただ「いまの政治にうんざり」「新しい人を望む」という静かではあるが、強い意思が伝わってきた。その時、「ひょっとすると、石丸さんはいけるかもしれない」と思った。
結局、当選は叶わなかったものの、有権者の変革を望む「静かで強い意思」は、選挙後の今も確実に続いている。いや、日に日に大きくなっている感すらある。
石丸さんについては、専門家や評論家が何かと“口撃”しているが、多くはステレオタイプに堕しており、現場にいた体感からすると、ずいぶん見当ハズレに感じる。石丸さんの今後はまだ明確な形を伴っていないが、日本の政治を、社会を変えるダイナモであり続けることは間違いない。しかも、これまでにない、まったく新しいそれである。