電通は、世界15の国・地域の20~59歳の 7460人を対象に、「ジャパンブランド調査2024」(以下「本調査」)を実施しました。
本調査は、2011年の東日本大震災で日本の農水産物や訪日観光に風評被害が発生した際、ジャパンブランドが世界でどのように評価されているのかを把握するために始まった当社独自の調査です。今回の調査では、訪日観光(訪日体験、地方観光、消費意向など)、日本の食(日本の料理・食材など)、日本の魅力度、価値観など多岐にわたる設問から最新のインサイトを分析しています。本リリースでは、「観光目的で再訪したい国・地域」で日本が1位となった要因を【期待】【契機】【関心】【地方】【和食】の5つの視点で読み解きます。主なファインディングスは次のとおりです。
【主なファインディングス】
①【期待】コロナ禍後に国際往来が活性化した2024年、再び観光に訪れたい国・地域の1位は日本(34.6%)。 海外旅行先として日本に期待していることの上位3つは、「多彩なグルメ」(28.6%)、「他国と異なる独自の文化」(27.9%)、「他国にない自然景観」(25.6%)。
②【契機】訪日観光の最大の理由は「前回日本を訪れて楽しめたので、また行きたいと思ったから」(50.0%)で、約半数がリピーターとして訪日観光を楽しんでいる。リージョン別では、東アジアで「円安が続いているうちに、行くべきだと思ったから」(44.1%)との回答の割合が、他リージョンと比べ約20ポイント高い。
③【関心】日本でお金を払って最も体験・利用したいものは、「庶民的な和食レストラン」(41.4%)。一部の国・地域では日本独自の観光資源が支持された。
④【地方】都道府県別の認知度では、東京都(55.6%)が1位。過去8年間の調査において上位5位の都道府県に変化がない。訪日外国人が感じる地方観光の障害要因の上位3つは「言語によるコミュニケーションの不安がある」(36.2%)、「東京や大阪、京都などの都会以外の地方観光地を知らない」(26.7%)、「地方観光地が持つアクティビティに関する情報源が足りない」(26.7%)。
⑤【和食】自国における日本食の喫食頻度について、東アジアと東南アジアは外食・中食が内食よりも高いが、欧米豪は外食・中食・内食に大きな差がない。帰国後にまた食べたい日本料理の1位は「ラーメン」(26.5%)。
注1)本調査における対象国・地域の名称表記は日本の社会通念やビジネス慣習に沿ったものになります。
注2)本調査における構成比は小数点以下第2位(一部整数表示の場合は小数点以下第1位)を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。
注3)本調査で使用した地図(世界地図および日本地図)は分析内容やページのレイアウトに合わせて一部修正・加工・トリミングを行っており、必ずしも国境線および国土範囲を正確に反映したものとは限りません。
【各ファインディングスの詳細】
①【期待】コロナ禍後に国際往来が活性化した2024年、再び観光に訪れたい国・地域の1位は日本(34.6%)。 海外旅行先として日本に期待していることの上位3つは、「多彩なグルメ」(28.6%)、「他国と異なる独自の文化」(27.9%)、「他国にない自然景観」(25.6%)。
世界の海外旅行経験者の観光目的で再訪したい国・地域について、日本(34.6%)が最も高く、次いで高いシンガポール(14.7%)とは19.9ポイント、米国(13.0%)とは21.6ポイントの差があった。【図表1】
リージョン別の日本への再訪意向について、東アジア(58.3%)と東南アジア(52.5%)では共に1位で、東アジア2位の香港(13.1%)との差は45.2ポイント、東南アジア2位のシンガポール(28.7%)との差は23.8ポイントと、特にアジア圏での人気の高さが表れた。また、欧州(6.5%)では10位、北米(16.3%)では2位であった。【図表2】
海外旅行において日本に期待することの上位3つは「多彩なグルメ」(28.6%)、「他国と異なる独自の文化」(27.9%)、「他国にない自然景観」(25.6%)で、訪日観光に対する多様な期待が明らかに。【図表3】
②【契機】訪日観光の最大の理由は「前回日本を訪れて楽しめたので、また行きたいと思ったから」(50.0%)で、約半数がリピーターとして訪日観光を楽しんでいる。リージョン別では、東アジアで「円安が続いているうちに、行くべきだと思ったから」(44.1%)との回答の割合が、他リージョンと比べて約20ポイント高い。
日本を観光目的で訪れた人のキッカケは「前回日本を訪れて楽しめたので、また行きたいと思ったから」(50.0%)が最も高く、半数近くがリピーターとして訪日観光を楽しんでいる。次いで「日本の製品が気に入って日本に行きたくなったから」(44.0%)、「自国で日本料理を食べて日本に行きたくなったから」(36.8%)の順で高い。【図表4】
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「円安が続いているうちに、行くべきだと思ったから」(34.9%)について、リージョン別で見ると、東アジア(44.1%)は東南アジア(25.1%)とは19.0ポイント、欧米豪(25.4%)とは18.7ポイントの差があり、円安は主に東アジアからの重要な訪日動機となっている。【図表4】
③【関心】日本でお金を払って最も体験・利用したいものは、「庶民的な和食レストラン」(41.4%)。一部の国・地域では日本独自の観光資源が支持された。
今後の来日時にお金を払って体験・利用したいものについて「庶民的な和食レストラン」(41.4%)、「農泊体験」(40.0%)、「新幹線」(37.3%)、「高級な和食レストラン」(36.3%)、「日本の伝統工芸品の購入」(35.9%)などの選択率が高い。また国・地域別では「日本オリジナルのコンビニ食品」「日本製のスナック菓子」なども一部の国・地域で支持されており、訪日観光における多様な興味関心が明らかになった。【図表5・6】
④【地方】都道府県別の認知度では、東京都(55.6%)が1位。過去8年間の調査において上位5位の都道府県に変化がない。訪日外国人が感じる地方観光の障害要因の上位3つは「言語によるコミュニケーションの不安がある」(36.2%)、「東京や大阪、京都などの都会以外の地方観光地を知らない」(26.7%)、「地方観光地が持つアクティビティに関する情報源が足りない」(26.7%)。
- 都道府県別の認知度について、東京都(55.6%)が最も高く、次いで大阪府(46.4%)、京都府(43.3%)、広島県(36.9%)、北海道(35.1%)と続く。なお、上位5位を構成する都道府県は、調査を開始した2016年から8年間で変化がない。【図表7】
- 訪問回数別に訪日外国人を分けて調査※した地方観光の障害要因について、「言語によるコミュニケーションの不安がある」(全体:36.2%、ポテンシャル層:44.5%、ビギナー層:36.4%、リピーター層:31.4%)がいずれの層においても最も高い。なかでも訪日経験のないポテンシャル層はビギナー層(+8.1ポイント)、リピーター層(+13.1ポイント)と比べて約10ポイント高い。【図表8】
- 次点以下は「東京や大阪、京都などの都会以外の地方観光地を知らない」(全体:26.7%、ポテンシャル層:29.6%、ビギナー層:24.1%、リピーター層:26.0%)、「地方観光地が持つアクティビティに関する情報源が足りない」(全体:26.7%、ポテンシャル層:25.9%、ビギナー層:26.4%、リピーター層:27.3%)、「日本の道路事情や交通ルールを理解していない」(全体:24.2%、ポテンシャル層:26.1%、ビギナー層:24.8%、リピーター層:22.8%)が続き、訪日外国人の地方観光における「情報不足」が大きな障害要因になっていることが明らかに。【図表8】
※訪問回数別に、0回かつ訪日意向ありを「ポテンシャル層」、1回を「ビギナー層」、2回以上を「リピーター層」と定義。
⑤【和食】自国における日本食の喫食頻度について、東アジアと東南アジアは外食・中食が内食よりも高いが、欧米豪は外食・中食・内食に大きな差がない。帰国後にまた食べたい日本料理の1位は「ラーメン」(26.5%)。
- 自国におけるシチュエーション別(外食・中食・内食)の日本食の喫食頻度について、外食と中食で月に1度以上食べる割合は、東アジア(外食:77.6%、中食:75.4%)と東南アジア(外食:77.8%、中食:78.0%)は共に7割以上であったのに対し、欧米豪は6割未満(外食:57.2%、中食:59.6%)であった。また、内食は東アジア(66.0%)と東南アジア(67.7%)が共に7割未満で、外食と中食と比べても約10ポイント低いのに対し、欧米豪(58.1%)はほとんど差が見られなかった。【図表9】
- 帰国後にまた食べたい日本料理は「ラーメン」(26.5%)が最も高く、「刺身」(19.4%)、「てんぷら」(19.0%)と続く。リージョン別で「から揚げ」(17.2%)は、中東(34.0%)、欧米豪(20.1%)では共に1位だが、東アジア(11.4%)では上位10位圏外の25位、東南アジア(17.5%)では10位と、地域間で差があった。【図表10】
【調査概要】
・目 的:訪日観光や食分野、日本産品、価値観などジャパンブランド全般に関する海外生活者の意識と実態を定期的に把握。変わりゆく生活者の気持ちとジャパンブランドの課題を可視化し、複雑化が進む企業活動に寄与するとともに、日本社会における異文化理解の促進にも貢献する。
・対象エリア:15の国・地域※1(アメリカ・オーストラリア・イギリス・ドイツ・フランス・インド・アラブ首長国連邦・インドネシア・シンガポール・タイ・ベトナム・中国本土・香港・台湾・韓国)
・対象者条件:20~59歳の男女(中間所得層※2以上)
・サンプル数:7460(内訳:アメリカ960、インド900、中国本土800、その他の国・地域 各400)※3
・調 査 手 法:インターネット調査
・調 査 期 間:2024年1月19日~3月26日
・調 査 機 関:株式会社ビデオリサーチ
※1:中国本土の対象エリアは上海・北京、インドの対象エリアはデリー・ムンバイ・ベンガルールに限定。
※2:中間所得者層の定義:OECD統計などによる各国平均所得額、および社会階層区分(SEC)をもとに各国ごとに条件を設定。
※3:各国・地域とも性年代別に均等割付で標本収集し、人口構成比に合わせてウエイトバック集計を実施。
提供元・RTB SQUARE
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