1943年、第二次世界大戦のさなか、米国フィラデルフィアで駆逐艦を使った機密実験が行われた。後に「フィラデルフィア実験」として語り継がれることとなる、この恐るべき実験が引き起こした地獄絵図とは?
■フィラデルフィア計画
1943年10月28日、ペンシルベニア州フィラデルフィアで駆逐艦エルドリッジを使った秘密の大規模実験が行われた。立案は天才発明家ニコラ・テスラといわれ、当時最高の科学者の一人ジョン・フォン・ノイマンに引き継がれた「フィラデルフィア計画」の記念すべき初実験であった。
フィラデルフィア計画は当時戦場に投入され始めたレーダーへの対策であった。第二次世界大戦の真っ只中、船や飛行機をレーダーに対して不可視にする技術の開発が急がれていたのだ。そんな中で米海軍が目をつけたのが、アインシュタインの統一場理論を応用し、船を電磁波の霧で包み、レーダーから見えないように光を屈折させるという「フィラデルフィア計画」だった。
ニコラ・テスラによる、高周波・高電圧を発するテスラ・コイルで周辺を強力な磁場で覆ってしまえばレーダーに映らなくなるというアイデアを元に、エルドリッジには多数の電気実験機器が搭載された。
■エルドリッジの地獄絵図
実験は海上で行われた。機器のスイッチを押すと、エルドリッジはたちまち強い磁場に覆われ、レーダーに反応しなくなったという。だが実験成功の喜びもつかの間、濃い緑色の霧が発生し、エルドリッジを包み込んでしまった。そしてエルドリッジは多数の乗組員を乗せたまま、徐々に透明になって消えたのだった。
姿を消したエルドリッジはフィラデルフィアの南におよそ340km離れたノーフォークに出現した。つまりはテレポートである。思いがけない結果に科学者たちは喜んだが、エルドリッジに乗りこんだ彼らが見たのはまさに地獄絵図としか言いようのないものであった。
エルドリッジの乗組員たちの肉体はテレポートに耐えられなかったのだ。ある者は甲板に体がめり込んで死んでおり、ある者は立ったまま壁に飲み込まれていた。それはまるで船体と人間が一体化したかのようだった。溶けて消えてしまった者たちもいた。行方不明者も多かったが、生き残った者たちは皆、精神的に異常をきたしていた。一説によると、死者・行方不明者は16人、発狂者は6人だったという。
あまりの異常事態に、さすがの海軍も即座に計画の中止を命令し、実験の隠蔽を図った。恐るべき極秘実験は「なかったこと」にされたのだが、1956年、モーリス・ジェサップという作家の元にカルロス・マイケル・アレンデなる人物から密告の手紙が届いたことをきっかけに、フィラデルフィア計画はついに暴露された。
米海軍はフィラデルフィア計画を公式には否定。「実験が行われた1943年10月時点で、エルドリッジはフィラデルフィアを遠く離れた地中海にいた上、そのような実験が行われた事実もない」としている。
しかしその一方で、米軍はフィラデルフィア実験を引き継ぐ極秘計画「モントーク計画」を行っていたともいわれている。モントーク計画ではタイムワープや超能力が研究され、魂の移植やタイムトラベル、テレポートなどといった驚くべき実験が行われていたとされる。
米軍は公に否定し、現在では真偽不明の都市伝説とされているフィラデルフィア計画であるが、暴露した作家ジェサップはその直後になくなっており、自殺を装って暗殺されたとも言われている。どうにもただの噂話ではなさそうな気配を漂わせる。この伝説の真相が明かされる日は来るのだろうか?
参考:「Express」、「Wikipedia」、「The Philadelphia Experiment」、ほか
※当記事は2018年の記事を再編集して掲載しています。
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提供元・TOCANA
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