KADOKAWAの経営の問題

 KADOKAWAは現在、社外のセキュリティ専⾨企業の⽀援を受けながら原因の分析作業を進めているが、従前からのセキュリティ対策が適切・十分であったのかも注目されている。KADOKAWAグループが運営するサービスのインフラ開発・運用を担う子会社・KADOKAWA Connectedは現在、求人サイト上で、情報セキュリティ管理体制の構築を担うセキュリティエンジニアを募集。予定年収は592万円~800万円となっているが、前出「SmartFLASH」報道によれば、KADOKAWAの幹部などが個別にセキュリティに関して高い専門性を持つエンジニアに月額報酬300万円を提示して採用活動を行っているという。

「ネット業界は企業横断的にエンジニア同士の交流が盛んであり、個人的なつながりで人を採用するケースは珍しくなく、KADOKAWAも幹部以下がセキュリティに詳しい人材に声をかけているのかもしれない。グループ全体のセキュリティ対策プロジェクトのマネジメントを担うエンジニアをスポットで雇うというのであれば、これくらいの報酬は相場でしょうし、外部のセキュリティ専門会社やコンサルティング会社から専門家を出してもらう際の金額がこれくらいになることはあるでしょう。もし仮にこの報道が事実であれば、求人サイトの件も含めて考えると、これまでそのような専門的な人材が社内に十分な人数いたのか、コストと労力を割いてしっかりとしたセキュリティ対策体制を整備していたのかが気になります。

 例えば同社はNewsPicksの報道を非難していますが、NewsPicks側はKADOKAWA内部からの情報提供に基づくものだと説明しており、だとすれば外部への情報漏れを生じさせてしまったKADOKAWAの経営に問題があるということになります。また、当初は(角川ドワンゴ学園が運営する)N高等学校に関しては攻撃の影響はないと説明していたが、在校生などの個人情報漏洩が起きていたことが判明し、社員がそれらの情報をサーバからコピーして個人フォルダで保管していた可能性も指摘されています。完璧なセキュリティ対策というのは不可能であり、サイバー攻撃を100%防ぐことも不可能ですが、グループ全体としてセキュリティ対策・運営が大規模なウェブサービス運営者として求められる水準を満たしていたのかは総括が必要かもしれません」(大手ウェブサービス企業エンジニア)

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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