12日午前の東京外国為替市場の円相場は、1ドル=159円台前半に急伸した。前日の海外市場で一時157円40銭台に急騰。政府・日銀が円買い・ドル売り介入を実施した可能性が出ており、東京市場も円高の流れを受け継いだ。午前11時現在は159円35~36銭と前日比2円28銭の大幅円高・ドル安。

 政府・日銀が介入に踏み切っていれば、今年4月下旬から5月にかけて行った9兆7885億円の円買い・ドル売り介入以来となる。 

 米国で11日に発表された6月の消費者物価指数(CPI)は伸び率が鈍化。米連邦準備制度理事会(FRB)が9月にも利下げに踏み切るとの観測が強まったことから、日米の金利差縮小を意識した円買い・ドル売りが進んだ。もっとも、円の上昇幅が大きかったため、「為替介入が実施された」(邦銀)との見方が広がった。

 財務省の神田真人財務官は12日朝、記者団に「過度の変動、無秩序な動きがあったときは適切な対応を取らなければならない」と語り、市場をけん制。一時、157円70銭台に上昇した。鈴木俊一財務相は同日の閣議後記者会見で、介入の有無について「コメントを控える」と述べる一方、為替の水準について「一方的な動きには懸念を持つ」との考えを示した。

 12日の東京市場では、国内輸入企業の円売り・ドル買いも入った。ただ、市場では今後の米利下げが見込まれている上、政府・日銀のさらなる為替介入も警戒されているため、「円は当面、底堅く推移する」(外為仲介業者)との声が聞かれた。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/07/12-12:31)

提供元・Business Journal

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