小野伸二氏 写真:Getty Images

 北海道コンサドーレ札幌のアンバサダーである小野伸二氏は、今月11日開催のFIFAワールドカップ北中米大会アジア2次予選・日本代表対シリア代表(エディオンピースウイング広島)の解説を担当。松井大輔氏とともにフジテレビ系の中継に出演するが、この一戦を前に日本代表OBの城彰二氏が小野氏の解説を分析している。

 1998年のフランス開催から3大会続けてW杯に出場した小野氏は、2023シーズン限りで現役引退。今年1月に、インターネット動画配信サービス『DAZN』で放送されたAFCアジアカップの日本代表戦全試合でゲスト解説を務めると、選手目線での的確な試合展開予想により、サッカーファンの支持を得ている。

 上々の解説者デビューを飾っただけに、アジアカップ終了後も様々なサッカー番組に出演している小野氏。日本サッカー界のレジェンドに対する期待が高まる中、城氏は今年3月5日に自身のYouTubeチャンネルを更新。「現役ホヤホヤの解説で、自分の感覚を(視聴者の)皆さんに伝えているのは最高。色々な連想をしながら試合を見ているから、解説を聞いていてシンジらしいなと(思った)」と小野氏の解説に賛辞を送っていた。

 ただ一方で、アジアカップで小野氏の解説が評価されている背景として「(AFCアジアカップ、日本代表戦の解説が)DAZNだから良かった。民放だと多分そういう解説じゃないと指摘される」と私見を披露。「DAZNをはじめ有料放送は、本田圭佑のようにワッと色々なことを言っても全然成立する。だけどあれをやるとなると、民放だと呼ばれない。あれだけバズッて面白いとなるけど。民放には民放なりの放送倫理がある」と、インターネット放送局『ABEMA』のカタールW杯中継に言及しながら、インターネット放送と地上波のサッカー中継の違いを説明している。

 日本テレビ系の全国高校サッカー選手権大会中継で解説を担当している日本代表OBの先輩から、地上波のサッカー中継における言葉の選び方について指摘を受けた格好である小野氏。シリア戦でもアジアカップにおける評論のクオリティーを保つことができるか、注目が集まる。