■“不適切な”家族ぐるみの付き合いで捜索が遅れる
娘のジャンがいなくなったブロバーグ家であったが、驚いたことに両親はすぐには警察に連絡しなかったのだ。
その理由のひとつにはベルヒトルトの妻がブロバーグ夫妻に当局に電話しないようにと忠告したこともある。だがその最も大きな理由は、ブロバーグ夫妻が2人そろってベルヒトルトと“不適切な関係”にあったことだ。なんと夫人はベルヒトルトと不倫の関係にあり、夫のほうもベルヒトルトと同性愛行為をする間柄にあったのだ。
こうした事情もあり捜索は遅れに遅れ、FBIがベルヒトルトとジャンの居場所を突き止めたのは誘拐の日から5週間がたってのことであった。
誘拐の罪で起訴されたベルヒトルトだが、ブロバーグ夫妻も地元の教会コミュニティの人々もベルヒトルトのことを悪く言わないばかりかむしろ擁護した。こうしたこともあり微罪処分となりベルヒトルトはほんの数日しか服役せず、すぐに釈放されたのだ。
この時になってもまだジャンは“エイリアン”を信じていた。そして“誘拐”された間に起きた性的なことをはじめとする詳細は自分の胸に固くしまい込んでいた。
ジャンが14歳になった時、彼女は再びベルヒトルトに“誘拐”された。この時もまだ彼女はエイリアンの話を信じていて、今度こそ“使命”を果たさなければならないと強く決心していた。
この2度目の“誘拐”は短いものであったため、事件にはならなかったが、その後何年もの間、ベルヒトルトとの不適切な関係は続いていったのだ。
社会常識が身に着くにつれ、ジャンの“洗脳”は徐々に解けていった。2度目の“誘拐”から数年後、ジャンは最終的に母親にベルヒトルトとの間に実際に何が起こったのかを伝えた。
さらにその後、ほかにもいたベルヒトルトの性被害者が声をあげたこともあり、ジャンは自分が体験したことを公表する勇気を持った。2003年10月にはベルヒトルトとの異常な関係を書き綴った『Stolen Innocence: The Jan Broberg Story』を出版。こうしてベルヒトルトの卑劣な悪行の詳細が世に知られるところとなり、2005年にベルヒトルトはジャンの暴行や別の被害者への破廉恥行為で告発されたのだが、最終的にはベルヒトルトの自殺という顛末を迎える。
こうして一連の事件は罪が償われることなく幕を閉じたのだが、この話はスカイ・ボーグマン監督によってドキュメンタリー作品『Abducted in Plain Sight』(邦題『白昼の誘拐劇』)となって好評を博している。
洗脳され、誘拐され、性的暴行を受けた少女の体験談は衝撃的だが、その巧妙な手口にUFOとエイリアンが使われているのは何ともやるせない話だ。子どもたちを守るためにも広く共有されなければならない話題であることは間違いない。
参考:「Mysterious Universe」、ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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