環境問題の解決においては、当然に、環境負荷の小さいとされる製造設備等の開発が課題となるが、それに劣らずに、環境負荷の大きいとされる設備の計画的廃棄が極めて重要な課題となる。
計画的廃棄においては、期限を切って新規建設が禁止されても、既存施設については、一定の稼働猶予期間が定められから、この稼働猶予期間にある施設は、有期の投資対象になり得るから、例えば、電気事業者としては、こうして廃棄されることになった石炭火力発電所を投資家に売却すれば、環境負荷の少ない新たな電源開発のための資金を調達できるわけである。
こうして、廃棄される運命の投資対象は、廃棄されるまでの期間を通じて、時間の経過とともに、資産価値が自動的に崩れていくもの、即ち、元本が時間をかけて償還されていくものであるから、いわば年金型の投資対象なのである。
実は、不動産は、年金型の投資対象である。なぜなら、不動産には必ず耐用年数があるから、不動産投資とは、耐用年数の期間にわたって、初期投資額を均等に回収することであり、年金型なのである。そして、不動産投資に限らず、発電所、船舶や航空機等の輸送用機器などを対象とした実物資産投資と呼ばれる領域では、投資対象に耐用年数がある以上は、必ず年金型の投資になる。