志のある医師や研究者は、ライフ・ワークバランスが大事だと言って勤まる職業ではない。適塾を始めた緒方洪庵は「扶氏経験遺訓」に「医の世に生活するは人の為のみ、おのれがためにあらず」と遺している。地位と収入にあこがれて医師や研究者になるような甘ったれた医師・研究者が増えてくれば、日本の医療は崩壊し、医学研究は競争力を失う。
健康医療分野で検討すべき多くの課題に手を付けることなく、国会で長期間にわたって「ガキのいざこざ」を続けていいのかと考えているのは私だけなのか?くだらない議論を続けるよりも、日本の道徳教育を考え直すところから始めてほしいものだ。
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編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2024年6月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。