死亡が確認されたにもかかわらず、その後蘇生した(生き返った)という話は現在でも時折聞かれる話だ。

 近時の例でいえば、2023年6月、南米エクアドルにて脳梗塞で病院に運ばれたのち死亡が宣告された70代の女性がいた。その女性の通夜の最中、なんと棺の中で彼女が呼吸しているのが確認され、すぐさま病院に運ばれ治療がなされることとなった。残念ながら、その1週間後に彼女は2度目の死亡宣告を受け、今度は生き返ることなくそのまま亡くなった。

 また、同年2月にはアメリカのニューヨーク州ロングアイランドの介護施設において80代の女性の死亡が確認されたのだが、葬儀場に運ばれた際に呼吸が確認され、すぐさま病院に搬送されるという出来事もあった。この他、霊安室に安置されていた人物が息を吹き返したり、死亡が確認され生命維持装置を外された10分後に息を吹き返したり、と生き返りの事例はいくつもある。

 当然、こうした生き返りの事例が実際に発生することはまれなことだ。そして、それらの多くは死亡確認上の誤認であることが原因だと言われている。

 かつて船乗りの間では、遺体を帆布で包んで遺体の鼻に針を通すという習慣があったと言われ、これは生きていれば痛みで目を覚ますという最終確認の意味で行なわれていたという。また、日本においても遺体安置の際には心臓部にドライアイスを置くなど「間違っても蘇生が不可能」な状態にするため、火葬や葬儀の経過の中ではこのような事例はほぼ起こらないようになっているとも言われている。

 こうした、生き返り話は古くからも確認されているようである。前述した数例の通り、それらのケースは高齢者である場合が多いが、中には生き返った後に長生きをしたという例もあるという。

 1562年、フランスの男性フランソワ・デシビルという人物が、病によって死亡した。家族は皆彼の死を悼み、悲しみのうちに葬儀が行なわれ彼をおさめた棺が墓地に埋められることとなった。ところが、その直後フランソワの兄が奇妙なことを言い出した。

一度死んで生き返った後に50年以上生きた?!「生き返り」にまつわる奇妙な話
(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)

「ぼくには、弟が死んだようには思えない。棺の中で出られなくて苦しんでいるように思えるんだ」 にわかに信じがたい話であったが、その内容に不安を過らせた家族が棺を掘り返してみると、なんと兄が言ったようにフランソワは棺から出ようともがいていたのだ。

 この時、死亡したものとして棺に納められた時のフランソワは45歳であったそうだが、その後なんと一度目の死亡時の年齢の倍以上となる105歳まで生きたと言われている。その原因は、風邪をこじらせたことであったと言われているが、その風邪をこじらせた理由も「二階の寝室にいる女性の気を惹こうと一晩中外で歌を歌い続けた」というものであったそうだ。

 フランスと言えば、史上最も長生きした人物と言われる女性ジャンヌ・カルメンの出身国でもある。一説に122歳で亡くなったと言われる彼女と同じ国に、そのはるか昔のヴァロワ朝、宗教改革がフランスにも及び始めたその時代に、これほどの長寿の人物がいたというのも驚きである。ただし、この人物の話については明確に記録された出典がないため、伝説の一つである可能性もある。

 二階にいる女性の気を惹こうと一晩中外から歌いかけていたというのも、『ロミオとジュリエット』のバルコニーシーンを彷彿とさせる。奇しくも、『ロミオとジュリエット』の出版時期は16世紀末、この逸話よりも後になるが舞台は同時代である。いずれにせよ、なんとも不思議な生き返りの事例である。

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【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】

き 文=ナオキ・コムロ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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