町田ゼルビアは今月12日開催の天皇杯2回戦で、筑波大学相手にPKの末に敗北。アマチュアチームがJ1首位クラブを破るという同大会屈指のジャイアントキリングとして注目が集まる一方、黒田剛監督による筑波大学批判コメントを巡り議論が白熱。町田OBの鄭大世氏が、指揮官の発言内容に関して私見を述べている。
町田は22分にMF安井拓也のゴールで先制も、DFチャン・ミンギュや安井など複数選手が負傷退場。後半アディショナルタイムにパリ五輪U23日本代表候補FW内野航太郎のゴールで追いつかれると、延長戦で勝ち越せずPK戦へ。PK戦で2-4と敗れた。
一部報道によると、黒田監督は試合後のインタビューで筑波大学側にレイトタックルがあったと主張すると同時に「ほとんどジャッジされなかった」と判定を非難。一部の相手選手に「非常にマナーが悪い」と苦言を呈するなど、批判は筑波大学の指導法に及んでいる。
この黒田監督のコメントに対する批判が相次ぐ中、鄭大世氏は13日午後にnoteを更新。レイトタックルに対する主審の判定について「黒田監督が言うようにレフェリングにも問題があると言っても過言ではないかもしれません。試合を通して3枚イエローが出ましたが、内容的には7、8枚くらい出てもおかしくなかった」と異論を述べつつも、「前半ファーストプレーの町田の高橋大悟の明らかなアフターでカードを出さなかったとこが試合を通しての基準になってしまいましたね。審判自身もそれをきっかけに迷いながらジャッジすることになってしまい歯痒く難かったと思うので、心情察します」と、主審への思いやりも忘れなかった。
また、町田指揮官の発言については「大人に対してタメ口だったりリスペクトがなかったというコメントは試合中であれば関係なく、プロフェッショナルなら尚更かなと思います」とバッサリ。「負けた後にそれを口にしてしまったら負け惜しみになってしまう」「プロである以上アマチュアに負けるのは絶対にあってはならない」などと、厳しいコメントを並べた。
ジャイアントキリングを成し遂げた筑波大学に対して「これぞ天皇杯の醍醐味という、大学生が国内カテゴリートップの首位を倒すという痛快な結果になったことに筑波大学選手スタッフに拍手を送りたい」と賛辞を送った鄭大世氏。一部選手の振る舞いも議論の対象となる中、「本人の人間的な面での成長も見守っていきましょう。そして自他共に認められる、真の王者になれることを応援してます」と前向きなメッセージを送った。