カンブリア紀の金属ボルトとは、1997年にロシアのブリャンスクで発見された、岩石に包み込まれた形で発見された金属製のボルトである。岩石生成の時代とボルトの使用時代が同一であると考えられ、その岩石の生成年代が人類が出現するより以前のおよそ15億年前のものであると判明したことで、オーパーツとして知られるようになった。
森林地帯で発見されたというそのボルトは、サイズが20cmほどであり、数トンの力を加えても変形することはなかったという。また、岩石の内部をX線で調べたところ10個ほどの小さなボルトが確認されたという。15億年前という時代は、三葉虫が登場しアノマロカリスが食物連鎖の頂点に君臨していた、カンブリア紀に相当する時代であり、地表は海に覆われ当然ながら人類は存在していない。
こうしたことから、モスクワ航空大学のチェルノブロフ教授による、15億年前に地球にやってきた宇宙船が故障・墜落したことによる残骸ではないかという主張もなされ、注目されるようになった。
だが、当然ながらこの説については疑問視する声もある。最も有力なものとしては、ウミユリの化石ではないかとの説がある。ウミユリは、生きた化石として現在も棲息している棘皮動物であり、海底に立って複数ある腕を広げてエサのプランクトンなどを捕食し、他の捕食者から襲われる際にはその腕を自ら切断し注意を逸らすという習性がある。
そのため、ウミユリとして一塊の化石として発見されることが少なく、いわば細切れになった状態となっている場合が多く見受けられるのだそうだ。
また、ウミユリの腕は蛇腹のような細かい節状になっており、これが化石でボルトのように見えるというのが、このウミユリの化石説である。ただ、この説はボルトが金属製であるという点について説明しきれないという声もある。
このほか、発見地が旧ソ連時代の閉鎖された工場跡でもあったことから、カンブリア紀の地層の中にソ連時代のボルトがたまたま放棄されたかして潜り込み、炭酸カルシウムなどの成分の影響によって周囲の土砂が岩石のように硬く変化したのではないかという説もある。
とはいえ、この説についても、なぜその周辺で同様の遺物が発見されていないのかという疑問も残っており、このことは先の宇宙船の残骸説についてもボルト以外の遺物が周囲から発見されていないことと同様となっている。また、ボルト以外の廃棄物が発見されていないというのも妙であるとの指摘があり、完全な解明には至っていないのが現状となっている。
にわかに囁かれている説としては、発見地の旧ソ連時代の閉鎖された工場というのが、物質転送装置の研究を行なっており、その実験として地層へ転送させたのがこの金属ボルトではないかというものだ。この説は、金属ボルトが現代のものであるという点を想定しており、その上でロシアではすでに物質転送装置が確立しているのではないかとの推測がなされている。解明が一筋縄ではいかない、なんとも奇妙なオーパーツの一つである。
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文=ナオキ・コムロ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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提供元・TOCANA
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