医療現場で恐怖の一部始終が撮影されたようです。

中国の中山大学附属第一医院(Hospital of Sun Yat-sen University)はこのほど、大腸がん治療のために内視鏡検査を受けた70歳の男性の胆管から偶然5匹のワームが生きたまま発見されたと報告しました。

このワームは「肝吸虫(学名:Clonorchis sinensis)」として知られる寄生虫の一種で、日本にも広く分布しています。

では肝吸虫はどんな生活サイクルを辿って人体に入り込むのでしょうか?

また何をすると寄生リスクが高まるのでしょう?

症例報告の詳細は、2023年12月28日付で医学雑誌『New England Journal of Medicine』に掲載されています。

※ 以下、肝吸虫を除去する際の映像が含まれます。苦手な方は閲覧にご注意ください。

大腸がんの検査中に偶然寄生虫を発見!

今回医学誌にも報告された体内で生きた状態の寄生虫を捉えた映像は、男性患者の大腸がん治療の内視鏡検査中に偶然撮影されたものです。

映っているのは肝吸虫という寄生虫の一種です。

基本的に医師たちは患者の便から卵を発見することで、その患者が肝吸虫に感染されたと判断します。

しかし今回の症例報告では、70歳の男性の便サンプルに卵は見つかっていませんでした。

代わりに男性は大腸がんを患っていることが判明し、その腫瘍の確認のために内視鏡検査を受けました。

医師たちは小型カメラを装着した内視鏡で男性の胆管を調べていた際に、偶然にも今回の発見をしたのです。

この患者の体内には、胆管の枝の部分に生きたままの肝吸虫が全部で5匹もいました。

こちらがその映像です。

体内でこんな生き物がうごめいているというだけでもかなりショッキングですが、この肝吸虫とはどのような寄生虫なのでしょうか?

そしてどうやってヒトの体内に入り込むのでしょうか?