日本航空株式会社(JAL)、日本製紙株式会社、東罐興業株式会社の3社は、飛行機内で分別回収した使用済み飲料用紙コップを再資源化し、紙コップに再生する水平リサイクルの取り組みを行っています。
この資源循環は、同社らによると2024年5月7日(火)時点で国内初だといい、環境月間にあたる6月は、羽田発JAL国内線運航便で再生紙コップを旅客に提供しているそうです。
紙コップ水平リサイクルスキームを確立
JALグループは、日本製紙グループと共同で、機内サービスで使用した紙コップの分別回収とリサイクルを2022年12月から実施。
東京(羽田)=沖縄(那覇)線からスタートした紙コップの回収対象路線は、現在、東京(羽田)=札幌(新千歳)・旭川・福岡・長崎・熊本・鹿児島・沖縄(那覇)線へと拡大しているといいます(エアバスA350-900型機・ボーイング767-300ER型機運航便が対象。航路上の天候やサービス上の都合により、分別回収を実施しない場合があります)。
回収された紙コップはこれまで、段ボールなどの紙製品に再生されていましたが、JAL機内での紙コップ分別回収の精度が向上したこと、日本製紙富士工場における食品・飲料用紙容器専用リサイクル設備の新設ができたこと、東罐興業の製造技術が進歩したことにより紙コップ水平リサイクルスキームが確立し、「紙コップto紙コップ」の水平リサイクルが実現したそうです。
今回の再生紙コップの提供は期間限定での取り組みですが、今後も循環型社会の実現に向けて継続的な取り組みを推進していくといいます。
取り組みの概要
提供期間:2024年6月1日(土)~10日間程度
※在庫がなくなり次第終了。航路上の天候などの状況により、提供ができない場合もあります。
対象路線:東京(羽田発)JAL国内線運航便
仕様:古紙パルプ配合率25%(古紙パルプの一部に機内で使用された紙コップを含む)
※再生紙特有の黒点が紙に混ざる場合がありますが、品質には問題ないといいます。
<参照>
JAL、日本製紙、東罐興業、「紙コップto紙コップ」の水平リサイクルを実現