スフィンクスは、エジプト神話などに登場する人間の頭とライオンの体を持った怪物あるいは神聖な存在である。古代エジプトに作られたカイロ郊外ギザ台地の三大ピラミッドの傍にある「ギザの大スフィンクス」が、よくイメージされるスフィンクスだろう。全長73.5m、全高20m、全幅19mという大きさを誇り、一つの石灰岩から掘り出された世界最大の像として知られているが、まだまだ多くの謎が残されていることでも有名である。

 ギザの大スフィンクスがいつ作られ、また何の目的で作られたのか、それすら現代までに定説はない。その中で特に注目されているのは、大スフィンクスの地下にある宮殿の存在である。これは、80年代に早稲田大学の研究チームが電磁探査を行なった結果に発見されたものであり、地下に2.5~3メートルほどの空間と、両手の前に1~2mほどの空間があること、さらに南面と北面の地下に通路の痕跡が見られたというのだ。

 地下の空間については、ギリシアのヘロドトスといった幾人ものギリシアの歴史家などがすでに言及していた。特にヘロドトスの記述によれば、そこには12人の王たちの集合墓地のほか秘密の部屋や通路が存在しており、またその地下通路はカイロから90キロメートルほど離れたハワーラまでつながっていたというのだ。実際、2008年にはハワーラの地下のスキャニングが行なわれ、地下数メートルに垂直な壁の密室が連結していることが判明した。さらに、スフィンクスの頭頂部や背中に金属板のフタがあり、そこから地下の坑道へ通じる通路があることが示唆されている。

 しかし、エジプト政府も発掘調査などに消極的な態度を示しており、現在に至るまでそれ以上に踏み込んだ公式な調査はなされていない。こうした事情の背景には、現代に唱えられている古代の歴史や文明について、根底から覆す秘密が隠されているのではないかという説がある。一部ではアメリカとエジプトが結託して、歴史上の重要な謎を解き明かされるのを妨害しているのではないかという陰謀論まで存在しているのだ。

 もし隠さなければならない秘密があるとすれば、それは一体なんなのか。よく聞かれる説として、ピラミッドや大スフィンクスの建造には地球外生命体が関わっているのではないか、というものがある。大スフィンクスの地下宮殿には、そのようないわゆるエイリアンの痕跡が残されているのではないかと考えられているのだ。現に、近年では火星でスフィンクスのような形状の地形が見つかって話題となり、それまでも火星でピラミッドのようなものが確認されたことも相まって、ピラミッドや大スフィンクスは異星人によって作られたという仮説を強める契機ともなった。

 さらに、大スフィンクスはそのそばにもう1体存在したとも言われているが、今はその痕跡が残っていない。このことから、大スフィンクスの地下にはUFOが隠されており、消滅したスフィンクスの側は、何らかの事情でUFOが地下から脱したために消滅したのではないかとも言われているのだ。まだまだ、謎が残る大スフィンクス。その全貌が解明される日は果たして来るのだろうか。

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文=にぅま(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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