■女性はマリー・アントワネットだった
やがて彼らは庭園から抜け出す道を見つけ、今通ってきた道で見たものをどう理解すればよいのか戸惑いながらも帰路に就いたのだった。
初めて訪れたヴェルサイユ宮殿での不思議な印象が残る体験が頭を離れない2人は、フランス滞在中にもう一度宮殿を訪れて庭園の道を歩いてみた。
しかし先日に見た光景とは全く異なっていた。異なる建物が立っており、売店はなく、橋もなかった。スケッチをしていた女性にも、マントを羽織った男性にも誰一人再び出会うことはなかった。そしてそもそも庭園内は観光客で溢れていたのだ。
あの日の体験はやはり超常現象だったことが確認できた2人は、旅から戻ってからもこの件について熱心に情報収集と検証を積み重ねた。
彼女たちの研究の結果、あの日に自分たちはどういうわけか18世紀後半に“タイムスリップ”し、橋を渡ったところで出会った絵を描いていた女性は時の王妃、マリー・アントワネットであったことを確信したのだ。
さらに売店の横にいた顔の皮膚が荒れた男性は“あばた面”で知られていたヴォードルイユ男爵であるに違いないとも結論づけた。
こうした研究結果をまとめて書き上げた2人の共著書『An Adventure』(1991年刊)は出版されるやセンセーションを巻き起こし、版を重ねて当時のベストセラーになった。
はたしてモーバリーとジョルダンの2人はその日、ヴェルサイユ宮殿でタイムスリップをし、マリー・アントワネットに出会ったのだろうか。この話を耳目にした以上、フランスを旅した際にはヴェルサイユ宮殿は外せないスポットになりそうだ。
参考:「Atlas Obscura」、「Wikipedia」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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