・建物の構造
・建物の耐震性能
・建物の所在地
・保険期間(最長5年)
まったく同じ構造、耐震性能の建物であっても、建物がどこにあるかによって保険料が変わる点に注意が必要です。
保険金で家の立て直しはできない
地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30~50%の範囲内で設定されます。
実際に地震が起きて建物に損害が生じた場合は、損害の程度によって支払われる金額が決まります。
・全損:地震保険金額の100%
・大半損:地震保険金額の60%
・小半損:地震保険金額の30%
・一部損:地震保険金額の5%
「これだと保険金だけで家を建て直すのは厳しいのでは?」と思うかもしれませんが、その通りです。
そもそも、地震保険は被災者の生活の安定に寄与することが目的であり、家の完全復旧を目指しているわけではありません。足りない分は貯蓄や、保険会社独自の特約で備えましょう。
いつくるかわからないからこそ備えを
都道府県によって、地震保険の加入率にはかなりばらつきがあります。損害保険料算出機構の統計によれば、2022年度において地震保険への世帯加入率が高かった上位3都道府県は、宮城・愛知・熊本でした。
一方、下位3都道府県は沖縄・長崎・島根です。地質学的に地震が少ないとされている都道府県では加入率が低い傾向にありますが、首都圏直下型地震が起きた場合に甚大な被害が生じるであろう東京でさえ、地震保険の世帯加入率は37.5%にとどまります。
仮に地震で家が壊れてしまった場合、建て直すための費用がかかるのはもちろんのこと、住宅ローンの返済も続けなくてはいけません。ダメージを拡大させないためにも「いつか来る」と思って備えるのをおすすめいたします。
文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー)
立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日商簿記検定1級、貸金業務取扱主任者(試験合格)