「え?また朝ごはん食べるの?」
突然のことで、介護といわれても何をどうしたらいいのかわかりません。
それに、100万も準備できません。
親が75歳をこえ、介護が始まったとき、知識と準備不足から費用の面で失敗する人がいる。
介護にかかる費用は、額面で年間数百万円、介護保険適用後の自己負担額にして年間数十万円にも及ぶ。
今回は、介護費用を安く抑える3つの方法を紹介する。
親が長生きすることで「自分の老後資金が底をつきる」といった事態を避けるため、今のうちに対策法を把握しておこう。
いつの間にか悪化していた認知症…「準備できていない」途方に暮れている
Aさんが久しぶりに実家に帰省した際、親の認知症が進行していることがわかった。介護が必要と診断されたものの、時間も費用も準備できていなかった。
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「え?また朝ごはん食べるの?」
介護が始まったのは去年の暮れ、帰省したときです。うちは私と妹の2人兄弟なのですが、妹は海外で、もう久しく実家に帰っていません。
私も仕事でドタバタしており、1年ぶりの帰省でした。
母親が食事を何度もしようとするので、これはまずいなと思い。医者に相談したところ認知症が進んでいたことがわかりました。介護が必要と診断を受けました。突然のことで、介護といわれても何をどうしたらいいのかわかりません。
費用も100万以上かかるらしく…娘の塾代やら習い事につぎ込んできて、全く準備できておらず。
妹は海外であてにできないので、途方にくれてます。
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このように親の介護は予期せず始まることがある。
突然介護が始まったときのために、費用を抑える方法を把握しておこう。
介護費用を安く抑える方法1:利用施設を見直す
介護費用を安く抑える有効な手段として、利用施設を見直す方法が挙げられる。
【入居型施設】の場合
入居型の介護施設の場合、以下の方法で費用の削減が可能だ。
・個室から相部屋に移る
・ユニット型から従来型の施設に移る
・都心部の施設から地方の施設に移る
・民間の施設から公的な施設に移る
【通所型施設】の場合
通所型の介護施設の場合、以下の方法で費用の削減が可能だ。
・デイケアよりデイサービスを利用する
・利用時間が短くなるように調整する
介護費用を安く抑える方法2:在宅介護を導入する
介護費用を安く抑えるために在宅介護を導入する手段もある。
施設に入居するケースと比較して居住費がかからない、通所型や訪問型などから必要なサービスのみを利用できるので介護費用の負担を軽減しやすい、といった点がメリットだ。
生命保険文化センターの2021年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、入居型施設を利用した場合の介護費用が月額平均12万2,000円かかるのに対し、在宅介護では月額平均4万8,000円で済む。
環境がそろうようであれば、在宅介護を選択するのも1つだろう。
介護費用を安く抑える方法3:公的な制度を利用する
公的な制度を利用して介護費用を削減するのも有効な方法だ。例えば、このような制度がある。
・高額介護サービス費支給制度:自己負担で賄えない費用を支給してもらえる
・生計困難者等に対する利用者負担額軽減制度:介護サービスの費用の一部を助成してくれる
「特定入所者介護サービス費(介護保険負担限度額認定制度)」は、所得が少ない方が対象の制度で、介護施設で生活する費用が割引になる。
「高額介護サービス費支給制度」は、 全ての方が対象の制度で、介護サービスの自己負担額が一定額を超えた場合、超過分が支給される仕組みだ。
「生計困難者等に対する利用者負担額軽減制度」は、お金がなくて介護サービスを利用できない方のために、費用の一部を助成してくれる制度である。
いずれの制度も区市町村に申請書を出すなどの手続きが必要だ。
どうしても介護費用を準備できない…
どうしても介護費用を準備できないとき、ほかにも対処法がある。