花王が考えるデジタル広告投資のポイント

スモールマスの商品展開を進める花王でも、広告宣伝においてはマス広告の予算がデジタル広告を上回っています。しかし、スモールマス商品のマーケティングには、コア層に向けた検索広告や動画広告が必要であり、デジタル広告の活用が欠かせません。

花王が実施した「エッセンシャル flat」の広告戦略は、ECサイトのみで先行発売するという過去に例のない取り組みであり、デジタル領域に投資を集中させました。悩みを抱えるコア層の検索キーワードを的確に捉えることで、一定の成果を出しています。デジタル広告の強みは、こうしたコア層の悩みやニーズに応える形で最大限活かすことができるのです。

今後のデジタル広告投資を考えるうえで、花王は「再現性」が重要だと見ています。再現性を追求していくには、「エッセンシャル flat」の事例のように検索キーワードからの流入を解析し、KPI(※)を設定することが大切だと花王は考えています。

(※)Key Performance Indicator(重要業績評価指標)の頭文字をとったもの。目標の達成度を測る指標のこと。

まとめ

◆花王が提唱するスモールマス戦略とは、既存のマスより小さいながらも一定の市場規模を持つ消費者グループに対し、それぞれに適した商品を提供するというものである。

◆スモールマスへのアプローチはテレビCMだけでは限界があり、よりターゲットを絞って訴求できるデジタル広告が重要なツールになる。

◆花王は、悩み解決型商品の検索キーワードを広く設計したことで、髪の悩みを持つコア層の獲得に成功した。「エッセンシャル flat」の売れ行きは9月目標比290%を達成し、実店舗での発売やテレビCMなどのフルローンチ前からコア層へ訴求できた。

◆今後のデジタル広告投資を考えるうえで、花王は「再現性」が重要だと見ている。再現性の追求には、検索キーワードからの流入を解析し、KPIを設定することが大切である。

提供元・MarkeTRUNK

【関連記事】
「インサイト」とは?マーケティング用語としての意味とニーズを具体例で解説
PPM分析とは? マーケティングの基本戦略策定フレームワークを解説
マーケティングミックス(4P)とは?マーケティング実行戦略の基本を学ぶ
競合分析とは?マーケティング分析のフレームワーク「3C分析」を解説
マーケティングはなぜ必要?企業の存在目的とマーケティングの重要性、意義、役割とは