米国の百貨店、サックス・フィフス・アベニュー(Saks Fifth Avenue)の親会社であるハドソンズ・ベイ・カンパニー(Hudson Bay Company)が、1907年創業の高級百貨店「ニーマン・マーカス(Neiman Marcus)」の運営会社であるニーマン・マーカス・グループ(Neiman Marcus Group)を26億5000万ドル(約4240億円*)で買収することが明らかになった。

ニーマン・マーカス・グループは、2020年5月に日本の民事再生法に当たる米連邦破産法の適用を申請し、経営破綻している。ニーマン・マーカス・グループはネット通販の台頭の影響で売り上げ不振が続いていたが、新型コロナウイルスによる休業が追い討ちをかけ、破綻までの2年間で1988万ドル(約21億円)、3118万ドル(約34億円)と最終赤字が続いていた。

米国ニューヨークのランドマークとも言える高級百貨店、「バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)」もニーマン・マーカス・グループの一員であり、今回の買収でハドソンズ・ベイ・カンパニーは「バーグドルフ・グッドマン」も傘下に収めた。「バーグドルフ・グッドマン」は、ニューヨークの5番街と58番街に店舗を構えており、ニューヨークを象徴する百貨店のひとつとして知られている。

Eコマースへの参入も「バーグドルフ・グッドマン」は早かった。2004年にEコマースサイトをオープンし、2016年にはグローバルシッピングを開始している。2018年になるとアマゾン・ドットコムの子会社であるショップボップ(Shopbop)の最高経営責任者(CEO)をスカウトし、新社長として招き入れている。

ニーマン・マーカス・グループの買収先は、破綻当時からカナダに本社を置く多国籍企業のハドソン・ベイ・カンパニーが有力視されていた。破綻から4年を経て、米国を代表する百貨店の再編に目処がついた。合併にあたり、新会社であるサックス・グローバルを設立し、アマゾン・ドットコムやセールスフォースが出資する見通しだ。

*1ドル=160円換算(2024年7月5日当時)
**1ドル=110円換算(2020年3月26日当時)

文・高村 学/提供元・SEVENTIE TWO

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