横浜ゴムはジャーナリストを集めたタイヤに関する勉強会を開催し参加してきた。主には製品評価手法に関するもので、ヨコハマタイヤの評価ドライバーたちがどんな評価テストをやっているのか? その一部を紹介し、実際に体験するというものだった。
項目としては乗り心地とロードノイズの2項目で、乗り心地では同じブランドで構造違いのタイヤを3種類用意。それぞれで硬さやショック、収束といった内容を確認する。またロードノイズではアドバンdb ブルーアース4S AW そしてアドバンLEVAの3種類で比較テストを行なった。
テストタイヤはいずれも同サイズで乗り心地はクラウンクロスオーバーに装着してテスト。ロードノイズはプリウスに装着し、それぞれ乗り心地は60km/h、ロードノイズは50km/hの車速でテスト路面を走行。実際の運転操作はヨコハマタイヤの評価ドライバーが運転をし、我々ジャーナリストは助手席や後席での体感で評価をしていくという方法で行なわれた。
ロードノイズテストでは評価項目を4つとし、乗り心地では6項目で評価。もちろん、通常のテストでの評価項目は6項目より多く、より細かなポイントもたくさんあることは言うまでもない。またこうした官能評価だけでなく、物理量計測試験も行なっている。
この官能評価というのは、一般の人にとってタイヤの試乗テストはできないため、メーカーのカタログ情報、あるいはSNS等の口コミになると思うが、比較テストの官能評価の難しいところは、走行環境やタイヤの状況、車両の状態、操縦方法などを定量化することが難しく、異なった条件下での評価になることが多いといいう難しさがある。つまりイコールな状況を作り出すこと自体が難しい中で、評価されているわけだ。
また、ロードノイズを例にとると、タイヤから直接発する音はパターンノイズで、直接音の領域に分類。タイヤを介して何かしらの振動で音を発しているものをロードノイズと言い、間接音に分類されるが、そうしたことの混同もままあるのが現実だ。
そうした中、メディアからの情報は、今回のように横浜ゴムのテストコースを使って同じ条件の元でテストできるケースはより正確な官能評価につながると言えるわけだ。
さて、具体的には160Hz以下の低周波は擬音として「ゴー」という音で、630Hz以下が「ガー」という音、そして1250Hz近辺の高周波は「シャー」音として表現され、評価項目でもガー音、ゴー音が基準タイヤより大きい、小さいといった方法で評価していく。
また乗り心地ではソフト感、突き上げ感、ヒョコヒョコ、腹へのゴツゴツ、ばたつき感、ハーシュネスといった用語が用いられ、1〜2Hzの振動はソフト感や突き上げ感として感じられ、4〜8Hzはゴツゴツ感に感じる。30〜50Hzはハーシュネスとして感じると分析していく。
こうした評価項目を踏まえた上でテストを行なっているが、横浜ゴムの評価ドライバーの中でも当然経験値の違いからランクづけがされており、トップドライバーになるには10年程度の経験は必要になるということだ。また感性によるものなので、到達できなドライバーも多く存在しているというから、厳しい世界での作業であることが垣間見える。
また、ジャーナリストが評価する際、あまり使わない表現での乗り心地テストがあり、「変位」と「頻度」があった。変位はバネ上のボディのゆすられ方をさし「動かされ易い」といった表現をする。頻度とは揺れる回数が少ないか、頻繁に起こるかといった指標で「Aタイヤより多め」などと評価していく。
こうした評価ドライバーが日常行なうテスト項目を一部でも詳細に体験できることは、ジャーナリストにとって非常に貴重な経験となり、今後の活動に生かされれていくことは間違いなく、より正しい情報をユーザーに発信することにつながることになる。
提供・AUTO PROVE
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