株式会社帝国データバンクは、2024年上半期の企業倒産件数(負債1,000万円以上の法的整理が対象)を集計し、分析を公表しました。

2024年上半期の倒産件数は4,887件(前年同期比22.0%増)で、2014年上半期(4,756件)以降最多だったとのこと。一方、負債総額は6,810億1,500万円(前年同期比24.9%減)で、負債額が小規模な中小零細企業の倒産が目立つ結果となりました。

業種別や主因別の傾向は?

倒産件数を業種別に見ると、全7業種中6業種で前年同期を上回ったそうです。「サービス業」(1,228件、前年同期比28.2%増)が最多で、「小売業」(1,029件、同23.4%増)、「建設業」(917件、同15.3%増)と続きました。

倒産主因別では、「販売不振」が3,951件(前年同期比26.2%増)で最も多く、全体の80.8%を占めました。そのほかには「経営者の病気、死亡」が164件(同24.2%増)で2000年以降最多となり、「設備投資の失敗」も26件(同116.7%増)に上ったとのことです。

負債額の規模としては「5,000万円未満」の倒産が2,898件(前年同期比25.6%増)で全体の59.3%を占め、「1億円以上5億円未満」の倒産が1,009件(同22.6%増)で続きました。

帝国データバンクの分析

帝国データバンクは「物価高、人手不足、コロナ支援策の縮小を受け、上半期としては2014年以来10年ぶりの水準まで増加した。急速な円安進行、力強さを欠く個人消費など、下半期も中小企業を取り巻く経営環境は厳しく、2024年の企業倒産は1万件突破も視野に増加基調が続く見通しである」と分析。

なかでも円安については「動きが止まらない」とした上で、「企業側の想定を上回るスピードで進む円安が事業遂行面に影響を与えるほか、輸入物価の上昇を通じて企業収益がさらに悪化しかねない」との懸念を示しました。

2024年下半期も、今回の調査で明らかになった傾向が続くという見通しだといいます。

調査概要

集計期間:2024年1月1日(月)~2024年6月30日(日)

発表日:2024年7月5日(金)

集計対象:負債1,000万円以上法的整理による倒産

集計機関:株式会社帝国データバンク

※調査結果はホームページでも掲載

<参照>

2024年上半期の倒産4887件、2014年以降で最多 負債額が小規模な企業の倒産が目立つ― 全国企業倒産集計2024年上半期報