道路状況に左右されるバスの運行
公共交通機関のひとつである路線バスは、電車などと違い一般道をほかの車と混じって走行します。そのため、路線内で渋滞が発生していると到着時間が遅れてしまうことは避けられません。
しかし、一部のバスの運転士は赤信号で停止するタイミングを避けながら走り、到着時間の遅れを少くすることができます。これは、長年の経験などで信号のタイミングなどを完璧に把握しているからこそ成せる技、と考える方は少なくないでしょう。
もちろんそうした凄腕運転士もいることでしょうが、実際には路線バスのスムーズな運行を実現するためのシステムが採用されています。
バスのスムーズな運行をサポートするPTPS
通過したあとすぐに黄色信号に変わったり、右折矢印にギリギリで間に合ったりといった信号のタイミングを完璧に把握しているような運転をしている路線バスの運転士。
神業にも思えますが、実はバス等のたくさんの人を運べる公共交通機関では、「公共車両優先システム(PTPS:Public Transportation Priority System)」が一部の路線に導入されています。
PTPSはその名の通り、バスなど公共車両の優先通行を確保するシステム。道路上に設置された感知器とバスに搭載された車載器で交通管制センターとバスが双方向通信を行ない、バスの運行を優先した信号の制御や、バス専用レーンを走る違反車への警告などでバスをサポートしています。
バスが通過するまで青信号や右折信号の時間を延長したり、バスが赤信号で停止する時間を短縮したり、こうしたサポートによってバスの遅延を抑えるものです。
バスの進路と交差する道路は渋滞が増える?
PTPSは北海道・札幌市が1996年4月に初めて運用を開始し、東京都や静岡県などにも導入されています。1998年の長野オリンピックの交通対策にも活用されました。
千葉県警が公開したPTPSの運用前と運用後の比較では、一定区間で20%の時間短縮を実現したほか、定時性も約6割から約9割に大きく向上したと、PTPSの効果を報告しています。
バスと同じ進行方向の一般車にも、バスと同じように時間が短縮がみられたようですが、その一方で、バスの進行方向と交差する道路の渋滞時間が増加するといったマイナスの効果もあるようです。
そのため、通勤や通学のドライブルートでは、路線バスと交差するルートではなく、同じ方向へ走るルートを選んだほうが時間短縮になるかもしれません。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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