このたびインド・チャッティースガル州で、誕生したばかりの新生児が畑に捨てられるという事件が起きた。野良犬も出没する地域で、赤ちゃんの命を守ったのは意外な生き物であったことを、イギリスの『Metro』や『Mirror』などが報じている。

■泣き声の方へ向かうと…

赤ちゃんの第一発見者は、チャッティースガル州ロルミ市のサリスタルという小さな村に住んでいるムナラル・パテルさん。畑仕事をしていたところ、赤ちゃんの泣き声が聞こえたという。

パテルさんが急いで声がするほうへ行ってみると、まだへその緒がついたままの裸の赤ちゃんが、畑に捨てられていた。

■健康面に異常なし

あわてたパテルさんは近隣住民を呼び、村の保健所にも連絡。赤ちゃんはその後、救急車で近くの病院へ搬送された。

医師による各種の検査を受け、赤ちゃんは女の子で、無傷であり健康面でも問題はないとわかったそうだ。女の子は村人たちによって、「アカンクシャちゃん」と名付けられたという。

■彼女が無事だったのは…?

インドの気候はすでに冬。か弱い新生児が裸のまま数時間も野外に放置されて、生き延びられる可能性はほぼゼロに等しかった。そんななか、アカンクシャちゃんは発見当時、野良犬の母犬とその子犬たちに囲まれていたそうだ。

診察した医師は「この赤ちゃんが生存できたのは、間違いなく犬たちが囲み温めてあげていたからでしょう」と話している。

■「まさに奇跡」と人々

インドでは野良犬が街をうろつき、残飯をあさり、食べ物を持っている人間にたかったり、飛びかかったりする光景は日常的なものだという。さらに、狂犬病に感染して死亡する人も後を絶たず、「野良犬問題」も解決していない。

サリスタルの村人たちは今、「野良犬はやっかいな存在とばかり思っていました。でもこんなこともあるなんて…。まさに奇跡です」とメディアに話している。

なお、アカンクシャちゃんはインドの子供保護団体に預けられ、警察が現在、保護責任者遺棄罪として両親の行方を追っている。

(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)

提供元・Sirabee

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