青山霊園は、東京都港区南青山のビル街の中に造成された都内最大規模の霊園である。1872年に、美濃郡藩主青山家の下屋敷跡として開設され、日本で初めての公営墓地ともなった場所だ。大久保利通といった明治維新ゆかりの人物をはじめ多くの著名人の墓所があり、忠犬ハチ公の墓もある。

 通常、墓地や霊園と言った場所は、夜間など特に不気味な雰囲気を醸し出すようなイメージは強いものの、供養など手厚い整備や管理がなされていることから、心霊スポットにはなりにくいという風にも言われている。そんな中でも、青山霊園は心霊スポットとしての知名度がきわめて高く、怪異の証言が多く語られる場所でもあるという。

 青山霊園にまつわる逸話で、最も有名なものはタクシー怪談だろう。あるタクシー運転手が深夜に霊園近くで女性客を乗せたのだが、バックミラーを見てみると後部座席に女性客の姿はなく、その後座席を確認すると女性客の座っていたはずのシートが濡れていた。

 このタクシー怪談は、1960~70年代から京都の深泥池(みどろがいけ)でも語られている定番のものであり、深泥池こそ元祖であるとの説もあるが、現在ではほぼ青山霊園の怪談として語られるようである。また、このタクシー怪談の影響であるかは定かではないが、青山霊園近辺では夜にタクシーが停まらないという噂もあるという。

 青山霊園にまつわる都市伝説も多い。この青山霊園は異世界への入口となっていると言われており、かつて肝試しにこの霊園を訪れた若者グループのメンバーがみな行方不明となり、今なお誰一人として見つかっていないという噂も語られている。さらに、通常は単体で設置されることがないはずの「!」(その他の危険)の標識が霊園に設置されており、「幽霊注意」を表しているのではないかという冗談めかした解釈もなされている。ただ、現在「!」の標識は撤去されており存在していないという話もある。

 青山霊園は、このような怪奇現象や都市伝説が多く語られる地である一方、500本以上もあるという桜並木が春を彩り、花見スポットとしてもよく知られている。言うなれば、青山霊園は生と死のエネルギーがダイレクトに接触する場所であるともいえる。散歩者も多い賑やかな場所となる一方で多くの著名な死者が眠る静かな場所でもある、そうした独特の雰囲気を醸す場所であるからこそ、異世界という他の心霊スポットでもあまり聞かれることのない逸話が語られることになったのかもしれない。

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文=ZENMAI(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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