悪臭を競い合うという奇妙な流行が中国の子供たちの間で起きているという――。身近なものを材料にしてどれだけ臭い液体が作れるのかをクラス中で競っているというのだ。

■不可解な「悪臭を放つ水」ブーム

 中国の小中学校で奇妙な流行が起こっている。生徒たちはあらゆる種類の臭い材料をペットボトルに入れて、可能な限り臭い液体を作っているのだ。いったいどういうことなのか。

 ネット上のレシピを使ってペットボトルの中できわめて悪臭の液体を作った小学生たちが、なんとこの液体を飲んでしまった“事件”を複数の中国メディアが報じている。

 生徒たちはボトルに“原材料”を記し、自慢できる悪臭が実現できたら、それをネットで共有してほかの者がさらにこの“実験”を進めるという“共同プロジェクト”がいくつも進行中であるという。

中国で「悪臭を放つ水」がブーム!子どもたちが臭い液体を作り競い合う!破裂する事件も…
(画像=「Oddity Central」の記事より,『TOCANA』より 引用)

 この流行は「悪臭を放つ水」と呼ばれ、専門家は公衆衛生を危険にさらすと考えており、教育当局はこれ以上流行らないよう必死になって沈静化を図っているという。

 先週、5年生の生徒3人が巻き込まれた“事件”がメディアで報じられている。伝えられるところによると、彼らのうちの1人がSNSで「悪臭を放つ水」のレシピを見つけ、他の2人の友人にそれを再現するよう説得した。

 彼らが使った材料は不明だが、レシピにはボトルを教室の窓の外に吊るして数日間直射日光に当てる必要があると書かれていた。発酵による内部圧力でペットボトルが膨れあがり破裂しそうになったので、3人は校庭に持って行って他の生徒に見せびらかそうとしたのだが、なんと運搬中にボトルが破裂! 吹き出したひどい悪臭の液体が彼らの頭からつま先まで降りかかり、口の中にも入ってその場で嘔吐してしまったという。

 ネット上で広まっている別の動画では、教室の中で「悪臭を放つ水」のボトルのキャップが吹っ飛び、周囲に液体が飛散する惨事が繰り広げられている。事件の詳細は不明だが、この“事件”で少なくとも12人の生徒が嘔吐し、パソコンが悪臭のする液体で汚損して使い物にならなくなり、悪臭のため教室は数日間使用不能となったという。

 中国メディアによるとこの「悪臭を放つ水」の原材料は、唾液、牛乳、ゴキブリ、ハエ、蚊、ネズミの尻尾、生の豚肉、ハンドクリーム、そしてあらゆる種類の賞味期限切れの液体などである。北京友安病院感染症科主任医師のLi Tongzeng氏は、各人が使用する材料が異なるため、これらの調合物がどれほど有毒であるかを推定することが難しいと警告した。

 Tongzeng氏は、発酵中に生成されるアンモニア、ホルムアルデヒド、硫化水素は中毒を引き起こし、呼吸器系、胃腸の不快感、めまい、さらには中枢神経系に損傷を与える可能性があると指摘する。さらに死んだ昆虫や動物には危険な細菌がたくさん含まれており、発酵中にその数は増えるのである。

 正確な原材料を記したラベルが付いた「悪臭を放つ水」のボトルの写真が数週間前から中国のSNS上で出回っているが、当局はこの悪臭ブームが広まらないよう悪戦苦闘しているという。

 いったいなぜこのようなブームが起きているのか不可解というしかないが、ひょっとすると幼い頃から詰め込み教育に晒されている中国の小中学生たちのストレスやプレッシャーに起因するものなのだろうか。人畜無害の他愛ないブームならともかく、“犠牲者”が増えかねないこの「悪臭を放つ水」の流行は確かに対策が必要な見過ごせない現象なのだろう。

参考:「Oddity Central」ほか

文=仲田しんじ

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提供元・TOCANA

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