“永遠”とは願望に基づく実際にはあり得ない概念だが、この地球も今のままで永遠に存続することはなく、地上の人類はもちろんすべての哺乳類が死滅することがすでに確定しているという――。
■二酸化炭素が2倍になり気温は50度に
不老不死の人間がいないように、惑星にも寿命がある。この地球もいずれは老いて朽ち果てていくことは間違いない。
誕生してから45億年が経過した地球だが、その間に大きな変化を遂げている。ドロドロに煮えたぎるマグマの塊としてはじまった天体は、徐々に冷えていきバウムクーヘンのようないくつものプレートを形成させながら固まっていった。数十億年が過ぎると、この惑星の表面にいくつかの大陸が出現し生命が誕生した。
それでも宇宙論的に言えば地球はまだまだ若い。おそらく寿命の3分の1をわずかに超えただけであり、したがってこれからも多くの変化が予定されている。
今後予定されている変化の中で、残念ながら我々人類が生き残る可能性は低いようだ。スーパーコンピューターを使用して今後2億5000万年間の気候をモデル化した昨年に発表された研究によると、未来の世界は再び単一の超大陸が形成され、人類を含めいかなる哺乳類も事実上居住不可能となる。
「遠い将来の見通しは非常に暗いようだ」と、ブリストル大学キャボット環境研究所の上級研究員であり、この研究の筆頭著者であるアレクサンダー・ファーンズワース氏は声明で述べている。
「二酸化炭素レベルは現在の2倍になる可能性があります。太陽も約2.5パーセント多く放射線を放出すると予想されており、超大陸は主に高温多湿な熱帯地方に位置しているため、地球の大部分は40~70度の温度に直面する可能性があります」(ファーンズワース氏)
古代の超大陸「パンゲア」にちなんで、「パンゲア・ウルティマ」と名づけられ新しい超大陸は「三重苦」を引き起こすだろうとファーンズワース氏は説明する。
「哺乳類にとって食料と水の供給源が欠如した、きわめて過酷な環境が生まれます。摂氏40度から50度の広範囲にわたる気温、そして高レベルの湿度によってさらに悪化する毎日の極端な気温は、最終的に私たちの運命を決定するでしょう。人間は、他の多くの種と同様に、汗によってこの熱を放出できず、体を冷やすことができないために死滅するでしょう」(ファーンズワース氏)
モデルの計算を主導したリーズ大学の地球システム進化教授ベンジャミン・ミルズ氏は「CO2は現在の約400ppmから、何百万年後には600ppm以上に上昇する可能性があると考えている」と説明している。
「もちろん、これは人間が化石燃料の燃焼をやめるということを前提としています。そうでなければ、もっと早くこの数字が現れるでしょう」(ミルズ氏)
この研究は今から何百万年も先の地球の姿を描いているが、著者らはすぐそこまで来ている問題を忘れないよう警告している。
「人間による温室効果ガスの排出の結果である現在の気候危機を見失わないことが非常に重要です」とブリストル大学の気候変動と健康の研究員であり、この論文の共著者であるユーニス・ロー氏は警鐘を鳴らす。
「私たちはすでに人間の健康に悪影響を与える極度の暑さを経験しています。このため、できるだけ早く正味ゼロ排出を達成することが重要です」(ロー氏)
このままでは座して死を待つのみだが、人類ははたしてその前に完全な再エネを達成し、ゆくゆくは宇宙に進出できるのだろうか。いずれにしてもタイムリミットはそれほど長くはない。
参考:「IFLScience」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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