行方不明になっていた青年が26年もの間、実はずっと隣の家にいた――。 隣家の男が青年を長らく監禁していた驚きの事件がアルジェリアから届けられている。
■26年間行方不明の男性は隣家にいた!
アルジェリア内戦下の1998年のある朝、アルジェリア・ジェルファにある自宅を出て学校へ向かった当時19歳の青年、オマル・ビン・オムランの行方がわからなくなった。
いったいどこへ行ってしまったのか。もちろんすぐに捜索が開始されたが、オマルの行方を占う手がかりは杳としてつかめなかった。
当時のアルジェリアは内戦の混乱によって推定20万人が殺害され、2万人が誘拐されたといわれており、家族はオマルもまた何らかの勢力に誘拐され、最悪の場合は殺害されたのではないかと懸念した。
オマルのことを最もよく慕っていた一家の飼いイヌは彼の帰りを待ちわびており、時には彼を探すかのように近所を歩き回っていたが、オマルの失踪の日から2週間後にこのイヌもいなくなってしまった。オマルの失踪と何か関係があるのか。オマルの家から100メートルほど離れた隣の家に住む男が、イヌを殺したのではないかと近隣住民の間で噂されるようになっていた。
この男の家の前でイヌが吠えている姿が何度も目撃されていることから、男はうるさいこのイヌを殺害したのではないかというのだ。
当局はしばらくして捜索を中止したが、オマルの母親は希望を捨てずに各所をあたった。しかし残念なことに彼女は2013年に亡くなり、オマルの一件は事実上の迷宮入りとなってしまったのだ。
しかし事件から4半世紀以上が過ぎた先日、意外過ぎる展開を見せることになった。
隣の家に住む男の兄弟を名乗る人物が、男がオマルの行方不明に関係していることをSNSに書き込んだのである。
オマルの親族がこの投稿を見て警察に通報し、最終的にアルジェリア検察庁が家宅捜索を行った。
そして5月12日、現在45歳のオマル・ビン・オムランが、当該の家に併設された羊小屋で発見され保護された。羊小屋には地下スペースがあり、オマルは普段はそこに身を潜めていたようだった。
隣家の男である容疑者はイニシャルで「BA」と呼ばれる61歳の男性で、警察の強制捜査中に逃走しようとしたが捕まって逮捕され、現在拘留されている。
保護されたオマルは混乱しているようで、医師らは彼が精神的な問題を抱えていることを確認した。しかし健康状態は良好であった。髭は伸び放題であったが衛生面でも特に問題はなかった。
BAとその兄弟は遺産相続で争っている状況にあったということで、この兄弟はSNSに書き込みをしてBAの秘密をばらし、BAの社会的地位を失墜させる意図があったようだ。その目論見は功を奏したことになる。
虐待などはまったく受けていなかったオマルはなぜ逃げようとしなかったのか。あるいは家の近くを通りかかった者に大声て救助を求めることもできたはずだが、オマルは一切そのようなことはしていなかった。
オマルは親族に「魔法にかかっている」と話したと言われている。BAによって魔法をかけられていて、逃亡する気持ちなど微塵もなかったようなのだ。
事実、オマルは干し草に覆われた羊小屋から何度も家族の姿を目撃していると話している。亡くなる前の母親の姿も見たことがあるという。しかし彼は自分にかけられた魔法によって「話すことも歩くことさえできなかった」と語っている。
SNSの書き込みがなければまだまだオマルは発見されずに羊小屋に居続けたことになる。はたしてBAはオマルに対してどのような“魔法”、あるいは“洗脳”を行ったのだろうか。事件の詳細が今後徐々に明らかになると思われるだけに、引き続き興味深く事の推移をチェックしたい。
参考:「Oddity Central」、「Daily Mail」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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