古代ローマで、わずか5歳の子どもまでもが血みどろの剣闘士の戦いを見ていたことが、新たに発見された落書きから判明した。
考古学者たちは、紀元79年にヴェスヴィオ山の噴火によって破壊されたイタリアの都市、ポンペイの中庭の壁に木炭で描かれたスケッチを発見した。
約2000年前のものと思われるこの原始的なスケッチには、槍と盾を持った男たちが野生の動物、もしくは互いに戦う姿が描かれている。このような場面は、ポンペイの円形闘技場では典型的なもので、しばしば死闘が繰り広げられた。
壁に描いた戦いを目撃した子どもたちたちは、目にしたものによって心に傷を負ったと考えられている。ポンペイの最新の発見は、街の西にある建物群、カスティ・アマンティ島での発掘調査でなされた。絵が床にかそれらはなり近いところで描かれていたこと、かなり原始的な様式であることから、子どもたちによって描かれたものだと思われる。
ポンペイ考古学公園のガブリエル・ズクトリーゲル所長は、次のように語る。
「私たちは、剣闘士や狩人の絵が模型からではなく、直接視覚に基づいて描かれた可能性が高いという結論に達しました。おそらく、この中庭、台所、便所、野菜栽培用の花壇で遊んでいたような子供たちが、円形闘技場での戦いを目撃していたのでしょう。彼らは、犯罪者や奴隷の処刑も含むような、極端な形の見世物化された暴力に接していたのです」
人物の手足は頭から直接伸びており、これは現代の子供たちにも特徴的な描き方であることがわかる。
「芸術的、文化的流行に左右されない人類学的な不変性であることは明らかです」とズークトリーゲル所長は言う。また、生々しい暴力がポンペイの子供たちの精神的な健康と発達に影響を与えた可能性が高いと付け加えた。「この絵は、今日でも見られる発達段階と同じような、幼い少年少女の想像力への影響を示しています」と彼は言う。
イノシシと思われる4本足の動物と戦っているように見える場面もある。また、ボールで遊んでいる二人の人物、ボクシングの場面(二人のボクサーのうち一人が地面に横たわっている)、木炭で描かれた子ども自身の手の輪郭であろう小さな手も描かれている。
ポンペイはヴェスヴィオ山の噴火によって破壊されたことで有名だが、発掘調査によって古代の発見がいまだに続いている。失われた都市の3分の1ほどは、まだ火山の残骸が取り除かれていないと推定されている。
失われた都市に暮らしていた子どもたちは何を見ていたのだろうか。
【参考記事】 Daily Mail Online
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文=にぅま(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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提供元・TOCANA
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