気が触れた女性の妄言だった、で済ませてよいものなのか? 2009年、メキシコ人モデルのガブリエラ・リコ・ヒメネスがホテルの前で叫びながら語ったこととは? 彼女は警察に連行され、二度と公の場に姿をあらわしていないのだが……。
■21歳モデルがエリートの悪行を暴露!?
2009年8月4日の夜、メキシコのヌエボ・レオン州モンテレイ市の高級ホテルの玄関前で、当時21歳のガブリエラ・リコ・ヒメネスは感情を爆発させて叫びながら一連の発言を行った。その発言の主な内容は以下の通りだ。
「私は自由が欲しかった。モンテレイ(都市)は私を解放してくれたが、そのために多くの労力を要した」
「私はメキシコシティに1年4カ月いた。このすべては2001年半ばに始まった。(しかし)ほとんど覚えていない」
「彼らは若い権力者だったが、彼らを殺した。私はドアをノックされた。私が欲しかったのは自由だった。私は自由が欲しい」
「カルロス・スリム・ドミットはこのことを知っていた。自由が欲しい」
「彼が(あの世へ)送られたことは、私の心を痛めます」
英タブロイド紙「Daily Mail」によれば、彼女の発言からいくつかの憶測が可能であるようだ。
彼女が口にした人物、カルロス・スリム・ドミットとは億万長者の息子で、その億万長者とはあのビル・ゲイツと並ぶ世界有数のビリオネアで実業家のカルロス・スリムである。
もう一人、「(あの世へ)送られた」人物とは、この後の発言で名前が出される、航空機墜落事故で亡くなったメキシコの政治家で当時メキシコ内務長官であったフアン・カミロ・モウリーニョのことだ。
2008年11月4日、メキシコ内務省のチャーター機(リアジェット45)がメキシコシティの市街地に墜落し、乗員乗客9人全員と地上にいた7人が死亡する航空機事故が起きている。この犠牲者の1人が当時37歳のモウリーニョであったのだ。
近づいてくる警察官に対しヒメネスは「あなた! あなたはそこにいたのよ! (罵り言葉)を捕まえて! あなたがモウリーニョを殺したのよ!」と叫んでいる。
当時のフェリペ・カルデロン大統領の右腕として活躍していたモウリーニョはメキシコの麻薬カルテルの撲滅に精力的に取り組んでいたとされている。
“陰謀論”的想像をめぐらせれば、航空機事故は偶然に起きたのではなく、麻薬カルテル勢力によるモウリーニョの暗殺が目的であり、そこに億万長者の息子が関係していたということになるのだろうか。だとすればあまりに闇が深すぎる“陰謀論”だ。
「彼らは誰を殺したのか教えてくれた。イギリス女王か? ドイツ女王か? 王女やミッキーマウスも殺したのか? 彼もだ!」ヒメネスは叫ぶ。この“彼”とはモウリーニョのことなのだろう。
周囲を数名の警察官に取り囲まれると、ヒメネスはさらに激高する。
「奴らは人間を食べた! 気持ち悪い! 奴らは人間を食べた! 私は何も知らなかった。殺人についてはそうだが、奴らは人間を食べた! 人間だ! 奴らは人肉のような臭いがする!」
まるで“悪魔教”の儀式を目撃したかのような物言いだが、この発言の後、ヒメネスは女性警察官に取り押さえられ、警察車両の中に押し込まれた。
地元メディアによれは、ヒメネスは地方警察によって刑務所に拘留された後、ブエノスアイレスの精神病院に送られ、そこで「助けを受け、十分なケアを受けられる」まで無期限に入院したということだ。
「Daily Mail」の記事では入院中のヒメネスに面会したという法学生のブロガーの話を紹介しているが、新たな展開に繋がるようなことは特にないようである。ヒメネスの一件はこのまま精神障害者の騒動として葬り去らされてしまうのだろうか。しかしまだ15年前の出来事であるだけに、当時の彼女の周囲にいた人々から意外な証言がもたらされる可能性は残されているのだろう。
参考:「UNILAD」、「Daily Mail」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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