年収1000万円以上というのが一つの基準

 複数の大手ウェブサービス会社に勤務した経験があるプログラマーはいう。

「現在、ITエンジニアのなかで特に採用ニーズが高いのはAI、データサイエンス、セキュリティの領域の人材で、大学院でこれらの分野を専攻していた学生は新卒1年目でも年収1000万円になるケースもザラ。さらに実務経験がある人材は企業の間で取り合い状態のため、年収もつりあがり、それなりのスキルを持つ人材は年収1000万円以上というのが一つの基準となってくる。

 今回募集しているKADOKAWAの仕事内容をみると、経営サイドに立ってグローバルを含めた会社全体のセキュリティ対策の戦略立案から体制・システム構築、運用までを行うスキルが求められており、高度な知識に加え豊富な経験を持つ人材となる。相場的には1000万円以上という感覚で、800万円は上限ではなく下限というのが妥当ではないか。

 現在、会社的に特殊な状況下にあるので、火消しと構築を同時に行っていかなければならず高い負荷を覚悟しなければならない。逆にいうと、今のKADOKAWAでこのようなポジションで働くことはセキュリティエンジニアにとってはキャリア形成という面では貴重な経験を積めるという見方もでき、これくらいの予定年収でも応募する人は一定数いるかもしれない」

 大手SIerのSEはいう。

「あくまでKADOKAWAは被害者であり、現在はサイバー攻撃へ対応をしながらシステムを再構築するという極めて重い作業の真っ最中のため、まずはサービスの再稼働・正常化を最優先すべきであり、外部からそれを妨げるような動きや報道は避けるべきだ。ただ、当初N高の運営元である角川ドワンゴ学園はN高に関しては攻撃の影響はないと説明していたが、在校生や卒業生の個人情報の漏洩が起きており、社員がそれらの情報をサーバからコピーして個人フォルダで保管していたことが原因なのではないかという情報も出ており、会社全体のセキュリティ対策やシステム運用が適切だったのかという点は、事態が鎮静化してから総括が必要かもしれない」

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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