投資信託の利回りは購入する時に多くの人が気にするポイントだろう。流行りのNISAを使うことで普通分配金は非課税になるため、最近では特に重視する人が増えた印象だ。今回はNISAで購入できる分配金利回りの高い投資信託をSBI証券、マネックス証券のランキング形式より紹介していく。※2019年5月時点

投資信託の「利回りランキングが上位=利益が大きい」とは言えない点に注意

分配金利回りランキングを見ていく前に、「分配金利回りが高い=利益が大きい」とは一概にいえないので留意する必要がある。ランキングに使用される分配金にはこの普通分配金と特別分配金の2種類が含まれているからだ。

簡単に説明すると、普通分配金とは投資信託の元本の運用により生じた収益から支払われる利益である。一方で、特別分配金とは投資した元本の一部が払い戻されるものだ。

利回りは分配金累計額を基準価額で割って計算するのが一般的だ。元本を取り崩して特別分配金を払えば基準価額は減って分配金の累計が増える。運用成績としては奮っていなくても、見かけ上の利回りは上がってしまうのだ。利回りランキングを投資の参考にする際はこの点に注意したい。

投資信託の利回りランキング【SBI証券】……トップはニッセイブラジル高配当株ファンド

まずはSBI証券の分配金利回りランキングを紹介する。
 

分配金利回りランキング(月間)(2019年5月時点)
順位 銘柄名 分類 分配金
利回り
年間分配金累計 NISA
第1位 ニッセイブラジル高配当株ファンド
(毎月決算型)
国際株式 17.82% 720円
第2位 ダイワ・US-REIT・オープン
(毎月決算型)
Bコース(為替ヘッジなし)
国際REIT 14.22% 520円
第3位 アムンディ・欧州ハイ・
イールド債券ファンド
(メキシコペソコース)
国際債券 14.01% 840円
第4位 三菱UFJ Jリートオープン
(3ヵ月決算型)
国内REIT 13.93% 720円
第5位 新光グローバル・
ハイイールド債券ファンド
(メキシコペソコース)
国際債券 13.46% 840円

※SBI証券のホームページを基に著者が作成

第1位となったのは「ニッセイブラジル高配当株ファンド(毎月決算型)」だ。LM・ブラジル高配当株マザーファンドを通じて、ブラジルの上場株式へ実質的に投資することにより配当等収益の確保と信託財産の成長を目標に運用を行っている。相対的に配当利回りの高い銘柄を中心に投資しているため分配金も高くなっている。直近分配金は60円、インターネットコースの買付手数料と信託財産留保額は無料、信託報酬は年1.9116%程度だ(以下銘柄の手数料もインターネットコースの場合を記載)。

第2位の「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」は、米国のリート(不動産投資信託)に投資し、配当利回りを重視した運用を目標とするファンドだ。米ドル建資産のポートフォリオの配当利回りが市場平均以上となることを目指している。Bコース(為替ヘッジなし)では、為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは行われない。直近分配金は40円、買付手数料は0.54%~2.16%、信託報酬は1.6416%、信託財産留保額は無料だ。

第3位の「アムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド(メキシコペソコース)」は欧州のハイ・イールド債(高利回り債/投機的格付債)を実質的な主要投資対象とするファンドである。原則として対メキシコペソで為替取引を行うのが特徴だ。利回りが高い分、価格変動リスクや為替変動リスクなどを考慮する必要があるため、初心者にはハードルがやや高いファンドと言える。直近分配金は70円、買付手数料は0.54%~3.24%、信託報酬は1.7608%程度、信託財産留保額は0.1%。

第4位の「三菱UFJ・Jリートオープン(3ヶ月決算型)」は日本の不動産投資信託証券(J-REIT)を実質的な主要投資対象として、分散投資を行い中長期的な値上がり益の獲得を目標とするファンドだ。直近分配金は180円、買付手数料は1.08%~2.16%、信託報酬は1.08%、信託財産留保額は無料である。

第5位の「新光グローバル・ハイイールド債券ファンド(メキシコペソコース)」は主に海外のハイイールド債券に実質的な投資を行う。高水準のインカムゲインの確保と中長期的なキャピタルゲインの獲得を目指して運用を行うファンドだ。直近分配金は70円、買付手数料は0.54%~3.24%、信託報酬は1.6664%程度、信託財産留保額は0.3%となっている。

投資信託の利回りランキング【マネックス証券】……国際アジア・リート・ファンドが第1位

続いてはマネックス証券の分配金利回りランキングを紹介する。
 

分配金利回りランキング(年間)(2018年06月01日~2019年05月31日)
順位 銘柄名 分類 分配金
利回り
年間分配金累計 NISA
第1位 国際 アジア・リート・ファンド
(通貨選択型)
インド・ルピーコース
(毎月決算型)
複合商品型 14.53% 1,440円
第2位 ダイワ・US-REIT・オープン
(毎月決算型)
Bコース(為替ヘッジなし)
複合商品型 14.22% 520円
第3位 国際 アジア・リート・ファンド
(通貨選択型)
インドネシア・ルピアコース
(毎月決算型)
複合商品型 13.72% 1,200円
第4位 新光J-REITオープン 複合商品型 13.44% 630円
第5位 三菱UFJ Jリートオープン
(毎月決算型)
複合商品型 13.38% 3,600円

※マネックス証券のホームページを基に著者が作成

第1位となった「国際アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インド・ルピーコース(毎月決算型)」は、主として日本を除くアジア諸国・地域の金融商品取引所に上場(これに準ずるものを含む)しているリート(不動産投資信託)などに投資を行うファンドだ。インド・ルピーを対象通貨とした為替取引を行う。仕組みが複雑で初心者にはややハードルが高いといえるだろう。直近分配金は120円、買付手数料は3.24%、信託報酬は1.9604%程度、信託財産留保額は無料となっている。

第2位の「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」はSBI証券の第2位と同じ銘柄なので前項の説明を参照してほしい。

第3位の「国際アジア・リート・ファンド(通貨選択型)インドネシア・ルピアコース(毎月決算型)」は第1位と同種のファンドだが、為替取引の対象通貨がインドネシア・ルピアとなっている点に違いがある。直近分配金は100円、諸手数料は第1位と同様だ。

第4位の「新光J-REITオープン」は日本の上場不動産投資信託証券(J-REIT)に投資し、東京証券取引所の「東証REIT指数(配当込み)」に連動する投資成果を目指した運用を行うファンドだ。直近分配金は40円、買付手数料は1.08%、信託報酬は0.702%、信託財産留保額は0.1%となっている。

第5位の「三菱UFJ・Jリートオープン(毎月決算型)」はSBI証券の第4位で紹介したファンドと同種のものだ。SBI証券では3ヵ月決算型がランクインしていたのに対し、マネックス証券では毎月決算型がランクインしている。直近分配金は300円、買付手数料は無料、信託報酬は1.08%程度、信託財産留保額は無料となっている。

投資信託の利回り(リターン)が大きいほどリスクも高くなる

投資は一般的にリターンが大きいほどリスクも高くなる。分配金利回りが良い(リターンが大きい)からといって安易に飛びつくと、リスクに気づかない恐れがあるので注意が必要だ。ランキングを鵜呑みにするのではなく、目論見書の確認や運用実績の分析などを欠かさないようにしたい。

特に分配金利回りに注目する際に気を付けたいのが、冒頭に話した普通分配金と特別分配金の違いだ。例え分配金利回りが高くとも特別分配金が多く、受け取った分配金以上に基準価額が下がっていたらトータルでは損することになる。

分配金額と基準価額の推移を比較するなど、投資信託全体の数字を総合的に勘案して投資判断を下すと良いだろう。

文・春美 悠(ファイナンシャル・プランナー)

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