途上国や難民、国内の子どもなどが抱える課題の解決に取り組む認定NPO法人Living in Peaceが、社会的養護下の子どもたちに向けて、金銭をめぐる知識をわかりやすく伝えようとウェブサイトを公開しました。

生まれ育った環境に影響されず将来に向けて望ましい選択ができることを目指し、自立するために必要な”お金の知識”を学ぶ支援をおこなっていくといいます。

社会的養護下の子どもの現状

「全国児童養護施設 退所者トラッキング調査 2023(認定NPO法人ブリッジフォースマイル)」「学生修学状況(中退者・休学者)などに関する調査(文部科学省)」によると、全高校卒業者(約99万人)の進学率が約80%であるのに対し、児童養護施設出身者の高校卒業後の大学進学率は48.7%と大きな差があるといいます。

また、児童養護施設出身者の大学中退率は、入学1年後で7.5%、入学4年後で27.5%と高い水準にあるとのこと。

奨学金事業を中心として資金面から施設出身の子どもたちへの支援を行っていたという同法人。支援を続けるなかで、資金ショートを起こし、退学してしまう子どもたちが少なくなかったといいます。その理由は「お金のリテラシー不足」だと考え、金銭に関する知識を学ぶ機会となるサイト開設をしたと伝えています。

「お金の教育事業」の内容は?

2018年から開始されたお金の教育事業では、「お金の教育プログラム」「進学シミュレーション」「奨学金チャットBot」を展開。

「お金の教育プログラム」では、高校生を対象に無料講座をおこない、卒業後に直面するお金に関する問題点や、上手な付き合い方を学びます。

社会的養護下の子ども達のために特化した「進学シミュレーション」では、学費、生活費、アルバイト代などの金額を入力することで、進学してからの費用を計算することができるそうです。

「奨学金チャットBot」では、ChatGPTを活用。チャットボットに質問すると、社会的擁護下の子どもそれぞれの状況に適した奨学金を、AIが提案するサービスです。

<参照>

社会的養護下の子どもたちに向けてお金の教育事業を展開するLiving in Peaceが、お金のリテラシー不足の課題解決に向けたウェブサイトを公開

全国児童養護施設 退所者トラッキング調査 2023|認定 NPO 法人ブリッジフォースマイル|

学生修学状況(中退者・休学者)などに関する調査|文部科学省